今日は浜岡原子力発電所の視察に行きました。耐震安全性や津波対策の取組について現地調査を行いました。18mの防波壁工事、緊急海水取水設備、緊急時の冷却機能確保の取組などで総額約1,400億円の対策が進められています。大きなお金ですねとの私たちの問い掛けに対して、現在浜岡原子力発電所が止まっていることで火力発電所を動かすための天然ガス購入増額費用が年間約3,000億円かかっているので約半年分ですとの答えがありました。


福島第一原発事故の知見を最大限に生かして対策を立てていて、更に新しい知見が出ればそれにもしっかり対応するといったことが伝わってきました。しかし、福島第一原発事故を経験した私たちは、原子力はどれだけ対策をしたとしても危険であるとの基本的考えに立たなければいけないと考えます。


一方、例えば交通事故を起こす可能性はあるが、生活の中で出来るだけ安全を確保して車を運転すると考える人が多いように、原子力は危険なものであるが、電力は必要であるため安全を確保して一定割合原子力発電を受け入れるといった考えもあるかもしれません。


国内の電力需給や個人、企業の電気代コストの問題や先日私がポーランドやチェコで調査してきた日本の企業が原子力の技術で国際舞台で戦っている現状、資源の乏しい我が国にとってのエネルギー安全保障の考え方など、今私たちは様々な点から原子力について考えなければいけないと考えます。


そんな中、「脱原発」というワンフレーズで東京では大規模な集会が起こり、マスコミの論調も偏っていることに違和感を覚えます。福島第一原発事故を経験した私たちの世代は「脱原発」に異論は少ないと思います。しかし「脱原発」は時間軸をしっかりと議論することが重要と考えます。


今から原発をゼロにするのか、1年後か10年後か20年後か50年後か100年後かが重要であって、このことがあいまいで「脱原発」というワンフレーズだけがメッセージとして伝わってくる運動は非常に違和感を感じます。


私たちの生活、経済活動に電力は欠かせないものである以上、再生可能エネルギーの技術向上、メタンハイドレードやシェールガスなど新しいエネルギー開発に全力を注ぎ、それらが実用化されていく中で脱原発を進めていくというのがいいのではと私は考えます。


福島第一原発事故を経験した私たち世代は将来的な脱原発に向けて動き出すべきと考えます。一方、未来の世代の原子力の選択肢についても配慮は必要と考えます。

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