今日は朝から宮川ダムまで向い、宮川に沿って下ってきました。議会に宮川プロジェクト会議が設置されこれまで三回議論を行い今回現地調査に入りました。今日の行程は、宮川ダム→三瀬谷ダム→長発電所滝原取水堤→長ケ逆調整池ダム→粟生頭首工でした。かなりの距離を走り一日かかりましたが百聞は一見にしかず、いい調査でした。


知事が企業庁の発電事業を売却する方針を打ち出したことにより、議会内で企業庁が行ってきた地域貢献やダムの治水機能などについて整理をするためにこのプロジェクト会議が設置されました。私は、所管の常任委員長ということでメンバーに入りました。


その中で最も大きな課題が宮川の流量回復です。平成18年4月に宮川ダムに選択取水設備が完成し(総事業費25億円)、0.5t/秒の水が宮川に放流されるようになりました。しかし、宮川の流量をダムが出来る以前の自然の状態に戻そうとすると、宮川ダムから2t/秒の放流が必要であるといった報告書もあり発電用のダムの水を今後どこまで地域貢献に使うのかといった長期的な課題があります。

《選択取水設備からの0.5t/秒の放流》
選択取水設備2

選択取水設備1
もう一点、今日学んだことは、魚の気持になって考えるということです。宮川はあゆで全国的に有名ですが、ダムなど魚にとって障害となる施設を人間が作ったため、少しでもあゆが上がりやすいように魚道が作られております。下の写真は、上流から順番に魚道を写してきたものですが、三つとも違います。


《滝原ダムの魚道》

魚道が直線でなく、あゆにとっては非常に上りにくいと考えられる。
魚道3

《長ケ逆調整池ダムの魚道》

落差が大きいため、パナマ運河型と言われるもので、下流側のシャッターを空け、あゆを呼込み、次に上流のシャッターを空ける仕組みであり、春になるとシャッターの前であゆが渋滞を作っているとか(?)
魚道2

《粟生頭首工の魚道》

真っすぐ魚道が出来ており、あゆにとっては最も上りやすい魚道といえる。
魚道1
様々な課題を本日現地調査したことで、プロジェクトは役割を終え、今後は議会に正式な検討会として設置するよう代表者会議に提案がされます。私は宮川についてほとんど知識はありませんでしたが、この数か月でたくさんのことを学びました。


宮川は三重県の大きな財産です。次の世代に素晴らしい宮川を残すため私たちは知恵を絞らなければいけません。議会に検討会が設置されれば、電気事業の売却とは切り離して、純粋に宮川の短期的な課題と、長期的な課題を整理し検証してくことが次の世代のために私達がしなければいけないことだと考えます。

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