vivant ハヤトにウソ無しと判定された佐野公安部長の証言で、野崎は国を裏切っておらず、国家公認の潜入捜査だと明かされた。少なくとも見かけ上、司令はじめ別班の上層部は其れを知らないように描写された。額面通り受け取ると、国は別班にだけ計画を知らせず、5名の拉致と拷問を許した事になる。この仕打ちを別班は、国の命と泣き寝入るのか? 新たな遺恨となるのか? は気になる。


1. 捨て駒にされた別班

 如何に別班が拷問に耐える訓練を積んでいるとは言え、この世に絶対はない。敵対組織が独自開発した自白剤に、先天的に耐性が無いメンバーは居ないのか? 仮に情報漏洩は防げても、敵側が水責めや暴行の加減を間違えて、拷問死させないか? 鬱はだれにでも訪れ得るので、絶え間ない拷問で鬱に陥り、自死する可能性はないのか? 訓練された別班員は絶対に密告しないと、乃木や長野が確信しているのは、戦中の日本兵のように、生き恥を晒すくらいなら天皇の為に清き死をという洗脳が、別班員にも行き届いているのか? 諜報員であっても、拷問死させるのは複数の国際法に触れ得るが、別班は日本では非合法な存在なので、仮にミンチにされて豚に喰わせて隠蔽されたら、日本も国際問題にしにくい筈。


2. 捨て駒にしたのは誰? 遺恨は残らないか?

 15話では、公安(内閣府)が別班(防衛省)をXinxiに売った構図。それ自体は、国家機密の漏洩リスクを高める背信行為だが、公安部長は国自体が黒幕だと匂わせ、日本に背いてはいないと嘯いた。気になるのは、Xinxiへの潜入を誰が立案し、誰が把握しているのか? 内閣府のトップは総理大臣なので、立案は部下であっても、総理が実行を承認している可能性は高い。美しき日本国のリーダーの決断なら、別班員は御神託に納得するのか? 一部の隊員が死んだり、再起不能になっても、名誉在る戦士と受け入れるのか? 
 思い出して欲しいのは、少なくとも元公安のノゴーン・ベキは、結果的に妻を死に至らしめた上司の所業を、決して許さなかった事。救出のヘリをすんでの処で引き換えさせた上司を、ベキは何十年を恨み続けた。野崎の潜入の為に別班が犠牲にされた事で、別班員の恨みを買い、新たなベキが生み出される可能性はないのか?


3. 何故、遠隔で尋問しない? AIハヤト

 防衛庁地下の防空壕に設置され、AIハヤトと対話(操作)できるモニタで360度囲まれた部屋。ドラマ上は、乃木と司令しか立ち入ってなかった。富岳なみとされるAIハヤトの本体が、離れた部屋に設置されているなら、モニタ部屋をそこまで秘匿しなくていいのかもしれないが、スパイ容疑のかかる佐野公安部長を招き入れる必要はあったのか? 前回、言動にウソがあるかは、公安の監視カメラの動画で判断できていた。何故今回ハヤトの存在を明かしてまで、モニタ部屋に連れてきたのか? より精度の高いカメラや体表の温度を測るサーモカメラや、体表面変化は測るセンサーが必要だったとしても、それらのカメラを設置した別部屋で尋問し、その情報をハヤトに送信すれば、モニタ部屋をバラす必要はなかった。可能な限り手の内を明かしたくない諜報組織としては、何とも間抜けな尋問の仕方な気がする。