「青と白で水色」以来大好きな宮﨑あおい様が美しいだけで120点なドラマ。タイトルバックに現れる英文が、粗筋だと話題なのでTVerで検証。「伏線」と言うには一瞬しか映らないので、考察班へのヒントもしくは「挑戦」な気がする。
🖱️これまで (1~前話)
第1話
| BuntaStartsWorkingHeBecomesAnEs puserHeGetsAWifeButHeMustNotLove |
和訳は「文太は働き初め、エスパーになり、妻を得るが、彼は決して愛してはいけない」と、確かに初回の粗筋になっているが、気になるのが "Espuser"の部分。EsperならUSが余計。"becomes ESP user"という表現もなくはないが、"becomes to exhibit ESP"の方が一般的な気もする。
第2話
| BuntaGoesOnATripWithHisFriendsAndWifeHeSav edAPainterThePainterWasHappyToStayPainter |
和訳は「文太は、友と妻と小旅行する。画家を救い、画家は幸いにも画家のままでいた。」とこれまた2話の粗筋。ただ、奇妙なのは時制の不自然さ。最初の動詞goesは現在形だが、後のsavedとwasは過去形。先に生じる旅に出る方を現在形、その後に起きる画家を救う(?)件を過去形にするのは奇妙すぎて、いかにも作為的。
第3話
| BuntaLearnsAboutOsukeHeRemember edHisFatherADogBarkedSparksFlewTh eEspersBecameALittleBitLikeHeroes |
和訳は「文太は桜介について学ぶ(知る)。彼は父を思い出した。犬が吠えた。火花が飛んだ。エスパー達は少しだけヒーローっぽくなった」。相変わらず、最初の文以外過去形。ドラマの序盤で粗筋を示すなら、全部現在形であるべきな気もする。自分が読み慣れている学術論文はやった事の報告なので基本過去形だが、普遍的な事実などには現在形が使わている事が多い。誰が誰の為に書いた文なのか分れば、違和感がなくなるのかも。
また、桜介の読みが「おうすけ」ならOusukeと記載しないと「おすけ」や「おーすけ」と呼ばれそう...。なお、「おーすけ」が正しいなら長音記号(マクロン)を添えて Ōsuke と記載する言語が多いみたい。
第4話
| BuntaHidesASecretFromTheBossTheSecret sIncreaseBuntaBeginsToLoveHisAlliesHeAl soBeginsToLoveShikiSoonTheTimeWillCome |
「文太はボスに秘密を話さない。秘密は増える。文太は仲間(同僚)を愛し始めており、四季を愛し始めるのも、もうすぐ。」今週は基本現在形で、最後だけ未来形。"Allies" の語釈は Cambridge Dic. に従いました。
4話で印象的なのは、終盤のボス(兆)の言動と、九条が市松と紫苑にEカプセルを渡す展開。藤子・F・不二雄の『TPぼん』で並平凡が石転を蹴飛ばして世界を救ったように、些細な出来事のバタフライ・エフェクトが天変地異などの大事に繋がるという設定はSFあるある。本作で、文太達がやらされている細事の「修正」も、未来を知っていれば大事に繋がっていそう。どうやら、ボスは来たるべき未来(枝の行き先)を知ってるっぽい...名前、兆だし。その上で映画『Terminator』の様に、「思い通りの未来が実現するように、細事を微調整」しているのかもしれない。ただこれが正義か否かは立場に依る。AIに支配されたdystopiaを回避したいヒトにとっては terminator は villain だが、resistanceの英雄を成長前に抹殺したいAI世界側にとっては terminator こそ正義。
次週、ノナマーレ勢と九条派が互いを villain と罵りあいそうですが、どちらに正義があるのか現段階では予想できません。『あんぱん』視聴者的には、市松(北村匠海)が「逆転しない正義」に辿り着けるのか興味深い。どっちに転んでも、宮﨑あおい様のkawaiiは正義ですが...。
第5話
| TheBirthOfANewEsperBitFiveRejoice sLoveAndBondsGrowDeeperAnEnemyAp pearsWillAshOrSnowFallFromTheSky |
「新しいエスパー集団 "Bit Five" の誕生に歓喜し、愛と絆が深まる。宿敵、現る。灰もしくは雪が、空から雪が舞い落ちるだろう。」
Bossの言った「シュレディンガーの猫」は物理学用語。結果が観測に左右される思考実験を例えにした、量子学の不完全性に対する揶揄。「MIU404」(2020) 最終回でもモチーフにされたが、個人的には相棒14#17「物理学者と猫」(2016) での引用が印象的。「The BigBang Theory」S1#17 (2006)で、ペニーの恋愛相談を「シュレディンガーの猫」に例えて「2人が上手くいくかは"蓋"を開けてみるまで分からない」と言ったシェルダンの台詞も、カジュアルで分かり易い引用かも。
Virusに関する台詞に、生物学の知識不足が露呈しちと残念。Virusは細胞に感染して増殖する構造体を指すので、海水の中で自力で増殖することはあり得ない。てか、他の細胞に寄生せずに自己増殖できた時点で、定義上virusでは無い筈。
5話のラストが3話冒頭につながり、Boss兆が四季の真の夫と判明。文太に愛するなと命じた意味は分かったけど、そんなに心配なら何で文太と四季にベットを共にさせているのかは謎??? 高畑充希が居るから、四季はどうでもえぇんかい!?
「1万人救う」のと「1千万人が死ぬ」のは同じ事象の裏表か? 例えば、。ある新薬が1万人の患者を救うが、後に麻薬として悪用されて濫用者1千万人がオーバードーズで死ぬとか...? もっと凝った設定なら、原因は何であれ1万人の死者を招くイベント(感染症, 地震, 津波 etc.)を防ぐ為の施策が、日本経済を悪化させて少子化を促進し、施策を実行しなかった場合より、人口増加が1千万人分減少する...とか? 実際、1千万人死ぬわけじゃないが、生まれる筈だった1千万人を生まれなくさせたら、同じくらいの罪に問われそう。
P.S. 「灰」というと「Ashes and Diamonds (Popiół i diament)」(1958)や「Angela's Ashes」(1999)等、複数形(ashes)で目にすることが多く、ドラマの終盤まで「Will Ash or Snow ...」と区切れなかったのは、日常的に英語の論文を読む職業として反省。Dragon Ash ファンはすぐ読めたのでしょう。
| 5話終了時点での終盤の憶測 ・野木作品は、深刻度の起伏はあっても、序盤と終盤でトーンがそこまで激変しない印象があるので、本作も最終的には大団円を迎えそう ・ヒーロー物を謳う以上、最終的には「1万人」も「1千万人」も救おうとする展開になりそう ・その為に自己犠牲が必要なら、最も腹黒い兆が払う事になりそう |
第6話
| KizashiIsASignTheBeginningOfEveryt hingShikisMemoriesAreHazyAndBunt aFinallyReachedOutToKizashisHeart |
「兆」は全ての始まりのサイン。四季の記憶はハッキリしない。文太は遂に兆の心を読んだ核心に触れた(真相に達した)。
6話で分かった事、
1) Bossの名前は「文人」。苗字は四季の指に隠されていて不明。本体は2055年に居て、文太が觀ていたのはホログラム。四季と結婚したのが20代なら、30年後は50代?? にしては若いが、30年後に若見え補正が充実してても不思議はない...。或いは、 兆は事故で意識不明か植物状態で、2025年の医学では治せぬ為、代謝を限りなく抑えた仮死状態で保存されている? 治療の為に目覚めたのが2050年くらいなら、2055年でも若々しい容姿でいられるかも...? ただ、肉体に触れられない状況では、兆の生存や実在を疑う必要もある。 兆が既に亡くなっていても、30年後の生成AIなら、兆そっくりの立体アバターなんて楽勝で作れそう。ただ四季との面談が必要になる前から、Boss(黒幕)が兆に成りすます必要は無い気もする...。
なお、四季の記憶状態を把握していなかったので、兆(のフリをしている誰か?)が記憶を操作した訳ではないっぽい。
2) 市松は将来博士になり、「兆」と面識が有る。市松が遠隔通信していた相手は、「I」と名乗る2055年の市松自身。九条とデートしてると勘違いされないか仕切りに心配していたのは、「I」を恋人と信じ込ませる為のフェイクか?
30年後の市松が過去の自分に情報を送っていたなら、30年後のBit 5も過去の自分に連絡しても不思議はない。技術的・金銭的に無理なのか? 2035年に絶命してしまったのか? 実は兆に成り済まして、過去の自分達に命令しているのか?
3) 桜介の花を咲かせたり、枯らしてしまう能力は、植物の代謝を促進して、開花を早める能力とも解釈できる。その能力はヒトにも作用するが、ヒトでは老化を進めたり代謝異常を招くのかも。
| 6話終了時点での憶測 ・兆が治療の為に仮死状態を利用したのなら、四季にも30年の仮死状態を希望してもおかしくない。2035年の厄災を防ぎたいのも、仮死状態の兆と四季を護る為なのかも。 ・兆は仮死状態から無事に目覚めたが、未だ100%成功する技術ではなく、覚醒できない場合や、重い副作用が残る例もある場合、四季は仮死状態にさせたくない可能性もある。しかし、2035年の厄災で四季が亡くなった事を知り、例え1千万人を犠牲にしても、四季を助けたいのかもしれない。 ・兆が絶命している場合、四季の親族やBit 5のメンバーが彼女を厄災から救う為に、兆に成り済ましていたりして。 |
第1~6話ダイジェスト TVer
謎を解く為のKeywordsで、改めて気になった点
1. Decision tree (6:55) 特になし
2. E capsule (8:45)
兆には、他の部下もいたが八柳の手紙によれば皆殺された事を再度確認。6話終了時点では30年後のBit 5が兆に成り済ましていても面白い気がしたが、未来の文太達が殺人を教唆する程悪人であってほしくないので、やはり兆はやはり仮死状態を経た文人っぽい...。
3. Non amour 愛してはいけない (10:00) 特になし
4. 四季の記憶 (12:33)
兆のネームプレートのドアップで、会社名は "Harmodia"、下の名は "文人" だと分かるが、苗字は四季の指で不自然に隠されている。苗字は何らかの種明かしになるのか? 兆は既存の登場人物と血縁関係があり、同じ苗字なのか...?
5. 市松と「I」(18:25)
市松が書いているレポートは「模擬と自然選択」についてで、ベイツ型擬態に言及しているが、これは何らかのフリなのか? デスク上の書籍からも彼の専門が生物学なのは確かで、市松博士は生物学者なのだろう。
第7話
| TheDataCanBeSentToThePastIchimatsuA ctsForITearsJoyAngerShikisMemoriesAr eRewrittenBuntaWasChosenWhyWasThat |
| 「データは過去に送信できる。市松は「I」の為に活動する。涙、喜び、怒り、四季の記憶は書き換えられる。文太が選ばれた。それは何故か?」 ※ "...FORITEARS..." を、"... for it. Ears ..." と読んでしまいましたが、"... for I. Tears ..." だったか、朝読み直して気付きました。"For I" って結構tricky。 |
映画「メッセージ (Arrival)」(2016)以来、登場人物のflashbackらしき回想が、実はflashfoward(未来の出来後)かもしれないと疑う癖がある。四季の回想も過去だけでなく予見が混ざっているかもと、仄かに疑ってはいたが確信はなかった。しかし7話終盤で、四季の記憶には2055年の文人がクリーニング屋で深層心理に植え付けようとした "2035年の四季の記憶" が、停電による中断で未整理なまま混在していることが明かされた。詳細な説明は8話にほしいが、2035年に四季が窮地に立たぬように、文人と出会う1年前の2025年から、彼女の行動を誘導しようとした模様。
ただ、市松博士が過去の自分を頼ったのに対し、文人は四季の記憶を操作する一方で、過去の自分に何故関与しないのか? 文太達が社員に選ばれたのは、いつ死んでも歴史を左右しない "要らない人" だから。逆を言えば、文人に未来の情報を伝えると副作用が強すぎるのだろうか? といっても2055年の文人自身が派手に「航時法」を犯していたら本末転倒だが...。因みに、文人は歴史に影響を与えない人物を蔑んでいるが、「TPぼん」では命を救って貰える立場なので、社会にとっては端役でも、自分自身が主役として人生を謳歌できれば、案外悪くないかもしれない。
第8話
| BitFiveDisbandedOnBuntasMissionSh ikiRemembersBunchanKizashisEter nityAndTheFleetingMomentOfShiki |
| Bit 5は解散した。文太のミッションによって、四季は思い出す、ブンちゃん・兆との永久(とこしえ)と、四季の儚き瞬間(死期)を。 |
① 21:37時点(最後のCM)でのボヤき
どうやら、文人(兆)は2035年の四季の死後、(仮死状態にも入らず)ただただ呆然と過ごしていたらしい。って事は、普通に50代っしょ!! だったら、いくらスタダの王子・岡田将生様でも、もうちと老けてなきゃおかしくないかっ!? 実は禿げちゃったけど、CG補正でめっちゃ若作りしてますみたいなexcuseがなきゃ納得できないっっ!
② 終盤の驚き
四季がEカプセルを爆食い。向精神薬の類なら、overdoseで軽く逝きそうな量。10年後の死を"思い出した"四季は、捨て身の行動に打って出るのか? ただ効果は不明。肺活量がより一層大きくなるだけか? 未知のエスパー能が複数開花するのか? 何れにせよ、副作用によって四季の死期が早まってしまいそう...。ただ、文人(兆)が重ねたシミュレーションの成果である決定木の崩壊は、自分の為に1000万人が犠牲になる事を四季が明白に拒否し、文人(兆)の思惑から抜け出そうとしているのは確か。
③「ブンちゃんとブンちゃんを殺します」
この台詞が「文太と文人を殺します」でないのは、実際にはどちらも殺害せず、四季が愛する「ブンちゃん」を彼女の記憶?心?から抹消する覚悟なのだろう。そもそも、文人と会うのは1年後のなのに、兆が深層心理に未来の記憶をねじ込むとしてに失敗した結果、発動された愛情。最初から文太に対して抱くべき感情ではなかったし、仮に相手が文人でも、1年間前倒しするのが不自然なのは確か。加えて30年後の文人の狂気は、四季を1000万人殺す共犯者に強制しようとしているのも同然。四季がどちらのブンちゃんともお別れして、誰からも操作も誘導もされていない人生に正常化したいのは、真っ当な感情。
第9話
放送前
今日で終わりなのは淋しいけど、我らがヒロイン、宮﨑あおい様の活躍に期待!!! ブンちゃんをどんな風に「殺し」ちゃうんでしょうか?
序盤
「愛し損ねた...」って台詞が、人生に後悔がある我が身には、刺さりすぎる。
流石は野木亜紀子..!!
中盤1
西暦2055年の人に、過去である2025年の改竄は2055年に影響しうるから問題だが、2025年の現代人には未来の更新に過ぎない。経験してない未来が変わったっても責任ないじゃんって理屈は分かる。
ただ、もし西暦3000年くらいにタイムパトロールができていれば、2025年の改竄は3000年に影響しうるので、TPぼんの様に航時法違反の重大犯として処刑されそう...。
中盤2
えっ、四季さん?マジで文太吹き殺さないよね???
中盤3
マジで文人をペチャンコにする気かいっっ!?
兆、自分が四季にしてしまった「罪」に早く気づけよ。
終盤
50代の兆はビジュ保ち過ぎだけど、60~70代の老文人は剥げちらかしていて、少しだけ「設定の不備」を赦せた。麿さんも十分カッコ良すぎるけど。
記憶を抹消しても、嘗て好きあった二人はまた出会って惹かれ合う...って『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』(2004)っぽい...と思いきや、ペチャンコにならなかったBit"4"の自発ミッションでした...という大団円。
| TheMissionIsEndlesslyDifficu ltEvenSoItMustEternallyCont inueThatIsWhatItMeansToLive |
| ミッションは果てしなく難しく、永遠(とこしえ)に続く。それこそが"生きる"ってことやない。 |