ハーバード大学での会議に出席しました1 | 女医の国際精神保健

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ハーバード大学での「CRPDの時代に考える精神保健」の会議に出席しました。

 

私の現在の研究のアドバイザーにハーバード大学の教授がおられ、その流れから会議に混ぜてもらいました。

クローズドの会議ですが、職業・性別・活動地域などのバランスが重視されていて、若め精神科医師・女性・日本とインドというのは選考のポイントであったようです。

他の参加者は国連、NGO、患者、家族、研究者、医療者、弁護士などでした。

ロースクールとメディカルスクールが合同で主催したからできたマルチステークホルダーな会議でした。

そして、精神医療を強制的に受けさせられて傷ついた方々のサバイバーの声が(国によっては)とても強いことからCRPDが発展している同分野は、意見がバチバチぶつかっています。そして、医者と患者の力のアンバランスもそのバチバチに大きく貢献しています。したがって、今回の会議にこれだけ勢ぞろいしたのは素晴らしいです。文献リストがライブで同じ席に座っているのはなんとも不思議な光景。

そして、研究のもう一人のアドバイザーWHOでの元ボスアーメダバードでの研究仲間ILSでの同級生もいて、自分がこれまで取り組んできたことは点と点が線に繋がっているなーと思いました。

皆、キャラが濃い、優秀な良い人たちで、会議は楽しく興味深かったです。経験に基づき臨む知の巨人たちは私が大好きなタイプの人々です。

 

会場はロースクールの建物で、ハリーポッターみたいな重厚な建物!

ここで二日間発表を聞いたり、グループ討論をしたり、全体討論をしたり。

立食形式ですが、美味しいお茶・朝食・昼食がついていたので、落ち着いて会議に臨めました。

 

会議は時々バチバチしつつも、お互いの話をじっくり聞けてよかったです。精神科医は現状をもたらしたものであり、現状を変えることへの大きな抵抗を示しているものとして、攻撃の対象でもあるのですが、「精神医療は必要だけど、強制はいけないよ」という点において皆は概ね同意。でもやっぱり精神科医を中心に「緊急時には本人の意思より医療が優先されるべきである」という意見は出ます。なので、いかに緊急時を減らすかとか複数の方法で本人の意思を確認するかとかsupported decision makingを開発するのは大切。

そして、当事者の経験を聞く経験はやっぱりとっても力強く、皆気持ちが動きます。

こんなことを通じて、私の今の研究はとても重要だと感じ、ちゃんと博論、論文、本(の章)をまとめて発表しようと思います。

 

発表もしましたが、議長もしました。

議長をしたセッションでは患者の会と家族の会のバチバチがあり、また話題が複雑化して、うまく議長をできなかった場面もありました。。。聴衆席にいた方々がさりげなく議論の整理を手伝ってくれたりしました(笑)。

 

自然とこの分野に自分の関心と仕事は繋がっていて、これからも繋がっていくんだろうなと強く確信しました。そして、皆バリバリの有名人なのに、気さくな感じで、あんな人に私もなりたいと思いました。

そして、私の研究にアドバイスしてくださる教授たちは、着実でありつつワクワクをもたらしてくれ、やっぱりスーパースターたちでした。そして、皆が、「こんなインスピレーショナルな会議は何年振り!」と帰りがけに口々に言い、私も同感(何年振り、とつけるには、私のキャリアはもうちょっと短いかな)。

意見の違いから時々ぶつかったWHOでの元ボスから素敵な言葉をもらい、会議後素敵なメールをいただいたのもとても良かったです。

 

https://ameblo.jp/drcityangel/entry-12224101256.html?frm=theme

この時 からいろんな進化をしたなあ。

 

ちなみに、ハーバード大学医学部界隈もちょっと出入りしまして、ランチセミナーとかも出席しました。

 

Paul Farmerが司会でした!Byron Goodのオフィスもあった。Arthur Kleinmanのイベントも企画されていた。集結してるなあ〜。