製薬会社の薬剤情報提供に思う | 女医の国際精神保健

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病院や診療所へ製薬会社の営業の方が病院へ薬剤情報を届けにきてくれます。
処方薬は医師が処方しないと使えないので、「医師が臨床現場で使いたくなる」ように営業があります。
ー こんな薬があるよ
ー 効果があるよ
ー 処方量はこれくらいとか、切り替えるならこんな方法でとか
ー 副作用にはこんな対処法があるよ
とか、いろんな情報が学術的にあります。
個別で教えてくれることもあれば、集団で勉強会的に教えて頂くこともあります。

こんな際の「接待」はどこまでどうして良いとかきっと規則があることと思います。
詳しくは調べていませんが、よくあるのは、
ー 昼休みにお弁当を支給して頂いて食べながら薬剤説明を聞くパターン
ー 夕方などに講演会、勉強会があり、その際に立食などがつくパターン

特に私は5年以上臨床現場を離れていたので、新しい薬剤や新しい使い方がいろいろ導入されているので、勉強する良い機会です。
ありがとうございます。

でも、気になるのは、学術的に説明されるけれど、調査方法を説明せずに結果のみを協調する説明の仕方がかなり多いこと。
PICO  をまず説明してもらわないと、「どんな人を対象としたのか」「どんな介入をしたのか」「何と比較したのか」とかも分からないし、バイアスがでやすいかどうかも分からないし。
結果だけ説明されても、例えば、もしかしたら効果が出やすい人だけをそもそも集めて調査したかもしれないし。。
製薬会社の営業の方々に「調査方法をもう少し教えてください」と質問しても、質問の意味が分からないような雰囲気だったことも度々あり、質問もしないようになってしまいました。。。
ちなみに、会社によって、そのあたりのしっかりさも違います。

テレビでやってる街角インタビューやネットの宣伝で画面のはじっこに出てくるような調査も相当いい加減ですが、それはまあお遊びとして。。。。
でも、製薬会社の医師に対する説明があれでは、ちょっと。。。
聞いている医師側も疫学の知識は個人差があるから、皆の感想は様々と思いますが。