ベンゲル監督の「勝者のエスプリ」を読みました | 女医の国際精神保健

女医の国際精神保健

精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

勝者のエスプリ/アーセン ベンゲル
¥1,620
Amazon.co.jp



私が憧れるベンゲル監督。
http://ameblo.jp/drcityangel/entry-11717750249.html
http://ameblo.jp/drcityangel/entry-11651166984.html
http://ameblo.jp/drcityangel/entry-11646780427.html
http://ameblo.jp/drcityangel/entry-11606002336.html


私が応援するサッカーチームArsenalの監督として、私は彼を知りました。
彼は、1995年頃、名古屋グランパスの監督として勤務しました。
その頃を振り返りながら書いた、彼の一冊。
彼の経験や哲学が記載されているとあって、期待満々で読みました。

かっこういい!
こんな監督について行きたいし、こんな監督と一緒に仕事をしたいし、こんな監督にいつかなりたい!!

私がしびれた部分を列挙してみます。

ー 「まず本人が強くなりたいという願望を持つこと」「言葉で伝えて、態度でも伝えること」
ー 「成功は人を麻痺させる。」 成功した監督はこのメソッドが良かったと安心し、そこから先には進めなくなってしまう
ー 監督は、勝ったときこそもっとも自分自身に厳しくあらねばならない
ー 困難にぶつかったときほど、自分たちの力の根源、アイデンティティを確認できるようにする
ー フランスでは、サッカーの指導者を資格によって規定している
ー 日本のサッカーにとって重要なのは、現在の行動基準を保ち、方針を変えないこと。そして、マイナス方向にヨーロッパのサッカーをコピーしないこと
ー 日本人は常に進歩したい、向上したいと言う気持ちをもっている。選手は質の高いトレーニングによって自分を向上できると信じている。この考え方はトレーニングを進めるときに有利に働く
ー サッカーにできるだけ多くの若者たちを引きつけるにはどうしたら良いだろうか。例えば、サッカーの記事を毎日のせている新聞がどれだけあるだろうか
ー 私は日本にいたときに大きなカルチャーショックを感じたが、一方ではそれは大変快いものであった。そもそも他人に対する敬意などといった価値観が尊重されている。反対のケースを想像すると恐ろしくなる。もし心の準備のできていないまま、人というのは親切なものだと思い込んでヨーロッパへ来たなら、町の至るところで食い物にされてしまうのは目に見えている。
ー 外国でたったひとり孤立しているときは、自分の国にいるときよりも、はるかに自分自身と向き合う場面が多くなる
ー 情報を受ける方は何の問題もなかったが、反対の発信の方はどうみてもあまり機能していなかった。日本のサッカーの情報は、まったくといっていいほど海外に向けて発信されていない

10年も前のことですから、現状とは少しずれることもあるかもしれません。
でも、概ね、あてはまることで、サッカーでもそれ以外でもあてはまることに思います。
外国での勤務の感想は、私自身が感じたことに重なる部分もあります。
情報に関しては、他の分野でもそのように思います。

ちょっとメモが見当たらないので、定かではありませんが、
ー 日本のサッカーは実践編の練習が少ない
ー 日本の選手は目的よりもやり方を学びたがる
といった記載もあったように思います。
前者は、一つ一つの技術は高いけれど、対戦相手と対峙した際に、相手の動きには対応できないと言っていたように思います。
また、後者は、やり方にいろいろなパターンがあることは教えられるけれど、どのパターンをいつ使うかとかどれくらいの強さで行うかは、選手が各自その場で判断できて初めてサッカーが成り立つといっていたように思います。
このあたりは、分野を越えて、言えることで、私も「実践を想定して準備をしたいし、実践の機会を増やしたい」と思いますし、「他流試合を多く重ねたい」と思います。


もう一度読み返したらまた新たな発見があることでしょう。
あこがれの監督の哲学を垣間みれた貴重な時間でした。
千円とかそれくらいで(図書館で借りれば無料!)、考え方を聞けてしまうなんて、本ってなんて素晴らしいのでしょう。
まだまだたくさん読みたいです。

ベンゲル監督はアーセナルとの契約を延長したので、まだしばらくベンゲル節を聞けそうです。
インタビューなどなど楽しみにしています。
アーセナル、来年は優勝しますように!