航空機内のドクターコールに対応しました | 女医の国際精神保健

女医の国際精神保健

精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

ちょっとさかのぼっての記載です。

ーーーーーーーーーーーー


赤道ギニアへ向かうために、最初に日本から欧州へKLMで行きました。

その機内で、

 

「医療者がおられましたら至急機体後方へ」

 

と、緊迫した案内がオランダ語、英語、日本語で聞こえました。

 

 

 

機体後方へダッシュ!

 

搭乗員が乗客を通路の広めのところへ運び出しています。

 

そして、周囲に様子を伺う人が数名。


 

「私、婦人科専門です」

 

という、男性医師。

 

「私、精神科です」

 

という私。

 

おっとー!

救命処置はどちらも日常の業務から離れた内容です。

(初期研修のときには取り組みます)

 

二人で、一瞬顔を見合わせましたが、処置に集中—。


 

「救命専門は誰もいないけど、大丈夫かしら?軽症ですように」

 

と、願いながら、診察をしました。

幸い容態は軽症で、私たちの力量で、解決できました。

 

本人、家族に考えられる原因と旅行中気をつける事、母国に帰国したらしてほしいことなどを告げ、航空会社の書類に記入し、一段落。


 

ちなみに、航空会社が一番知りたいことは

 

「緊急着陸を要する状態か」

 

「着陸後に準備しておくべきものはあるか」

 

ということのようでした。

 

今回は、軽症でしたので、どちらもノーで、皆一安心。



着陸前に、添乗員さんがその後乗客は異変はなく過ごしておられるとお知らせくださいました。

素敵☆

 

 

いやー、一生懸命いろんな科で研修しておいて良かった!

 

研修医時代、救急外来でいろいろ対応しておいて良かった!

 

精神科入ってからも、救命センターとかで働いておいて良かった!

 

久しぶりとはいえ、「未経験」と「思い出す」には大きな違いがあります。