「なぜ医師たちは行くのか?国際医療ボランティアガイド」を読みました | 女医の国際精神保健

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国連邦人職員関連の古本市でゲットした一冊「なぜ医師たちは行くのか?国際医療ボランティアガイド」を読みました。

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なぜ医師たちは行くのか?―国際医療ボランティアガイド/著者不明
¥2,310
Amazon.co.jp

出版社からのコメント

医師として、看護師として、また友として、世界各地で医療支援に尽力する医療従事者たちの体験談を中心に、国際医療ボランティアの魅力と実態を紹介。 NGOをはじめとする国際保健・医療協力団体の詳細情報もまとめた、国際医療ボランティアの現場がわかる実践的ガイド! 国際医療ボランティアを志す人は もちろん、世界の保健・医療協力の現状を知りたい方に、絶対おすすめの1冊!
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2003年の出版なので10年ほど前の情報ですが、概況は現在も共通ではないかと思います。
AMDA、国境なき医師団、日赤などの団体での活動体験談がまとまっています。
医師、看護師、針灸師、歯科医など幅広い医療者の体験談がまとまっています。
また、各自の履歴も記載されているので、どのように進路を歩んで行くかの参考にもなると思います。
最後には各団体の特徴や連絡先をまとめたカタログもついています。
ざくっと国際保健でどんな活動があるのかを掴むには良い本だと思います。

記載してあったことで私的ハイライトをいくつか以下に。

1、「思い」と「できること」
2、相手のニーズを考えよう
3、「これしかやりません」は通用しない
4、ボランティアの自覚と自立

自分がなりたいもの、達成したいことを明確に

開発途上国の医療従事者はエリートである。(中略)よって肩書き無用論の実力主義者が彼らに認められるには時間がかかる。(これ同感!)

専門家とは自分の方法論の限界を知り尽くしている人達(これ同感!)

1、自分が10年後、20年後にどうありたいかを考える
2、そこから逆算してどのように準備をして活動に関わって行くかを考える
3、その国もしくはその技術の専門家になるべく長期の計画をつくり着々と前進していく(大学院などへ戻ることも意識する)
4、村落レベル、県レベル、国レベルと段々プロジェクトの対象を広げる
5、企画、実行、評価の経験もする

実践的NGOの活動(1や2は多いが3まで発展する団体は少ない)
1、物や金を送る
2、病院や学校などの施設を送る
3、人を送り施設をつくり現地の人間を雇いプロジェクトを運営する

援助は自分たちに直接やってほしい。NGOや国際組織はビジネスだから。


お母さんへ
ネパールで鍼灸の活動をしている「よもぎの会」というのが登場したよ。  詳細こちら
活動に興味あるかしら?


こういう本のもっと最近のもあるのかな?
経済情勢も国際力関係も優先医療課題も大分光景が変わったような気がします。
とはいえ、大枠を掴むには良いガイドだと思います。