精神保健に関するプレゼンテーション | 女医の国際精神保健

女医の国際精神保健

精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

私のフィジーの仕事の一つが、トレーニング、啓蒙、説明です。
つまり、大勢の前でプレゼンテーションをすることが度々あります。

精神科女医のロンドン大学院、インターン、コンサル、JPO(WHO)

プライマリヘルスケアシンポジウムでも40分のコマで話しました。
3日間続いたこのシンポジウムには全フィジーから関係者が出席し、保健省から前線の医療者からドナーから国際機関から、いろいろな組み合わせです。
「なになにで困っています」
と質疑応答で意見が出れば、病院長や保健省から
「これこれの方針で進行中です」
という回答があったり
「それについて少し聞きたいので、来週月曜日の午後に時間をとれますか?」
という回答があったりします。
人口が90万人弱だと、距離が本当に近いです。


精神科女医のロンドン大学院、インターン、コンサル、JPO(WHO)

昼食も一緒に取りますし、途中のお茶の時間も皆で一緒です。
人間関係が大切です。
顔が見えることが大切です。

私のコマでは、
1、精神保健で扱う疾患の診療例(他科の人々にも想像がつきやすいように)
2、精神保健を公衆衛生的に測定する(DALYs。システム全体が取り組む必要があることを強調するために)
3、フィジーの現状(疫学データ)
4、フィジーが迎えている精神保健変革(新しい病床、外来、法律)
5、フィジーが使えるフレームワーク(mhGAP,PIMHnet)
などを話しました。

200人くらいいた聴衆の中からは、
「看護学部ではこんな取り組みがあります」
などの追加情報があったり、
「小児の薬物使用への取り組みは?」
との質問があったりしました。
私には応えられない質問は、客席から病院長や保健省役人などが回答をしてくれます。
発表者と聴衆が一つのチームといった様相で、
「発表者は誰よりも話題について知っているべき」
といういつもの構造とは違った雰囲気で、なかなか良かったです。

他の話題としては、小児ワクチン、肥満対策、気候変動と健康、ソーラーパワーの保健所構想など多岐にわたりました。

若手弁護士に対して「ストレスとの付き合い方」について講演した時も印象的でした。
本当に皆元気で、いろいろな質問が飛び交います。
マネージャーから「管理者として、若手が仕事をしやすくするためにはどうするのが良いですか?」
という質問があったのも印象的でした。
皆の前で、真剣にこんな質問をしてくれるマネージャ。
この姿は、下で働く者にとっても、ついて行きたい指導者に見えるのではないかな?と思いました。

他職種に自分の専門科目を説明するのは、自分の中で「更に明確で分かりやすく」という消化の過程が追加され、整理され勉強になります。
まだまだ準備に時間がかかってしまう私ですが、これを繰り返すことで、よりこなれていくことと思います。