60代男性、糖尿病で治療中です。今日のHBA1cも6%台と、良いコントロールが持続していました。

 

「何か変わったことがありますか?」

「はい、右耳が難聴になってしまって。」

「それは大変ですね、治療はどうなりました。」

「糖尿病があるから、強い薬は使えないって言われて、様子を見ています。」

「そうなんですか。うーん、それはねぇ。相談して欲しかった。」

「少しは良くなってきているみたいです。」

 

糖尿病治療はとても大切ですが、基本的に慢性の病態で、よほどのことがない限り(たとえば、清涼飲料水をたくさん飲む、インスリンを急にやめてしまうなど)、意識状態がおかしくなるようなことはないと思います。また、悪化した場合でも、糖尿病治療を強めることで、十分に乗り切れると思います。

ですから、今回のように、突然発症してしっかりした治療が必要な場合には、そちらを優先しなくてはいけないと思っています。

これは主治医の問題が大きいのですが、腫れ物に触るように糖尿病患者さんを取り扱うことが、いまだに多くあります。より良い治療を提供できるように、医師全体が糖尿病の治療と管理についてのアップデートをする必要があると思っています。

患者さん側としては、「糖尿病だから」と言われても諦めないで、糖尿病の主治医にご相談していただきたく思います。