60代女性、心房細動と高血圧、高脂血症で通院中です。

 

「どうですか、何か問題ありますか?」

「いえ、全く。」

「それは良かったです。そういえば、カテーテル治療についてどうするか決めましたか?」

 

心房細動になったのは、1年くらい前で、カテーテル治療(アブレーション)について、少し迷っているようでした。

 

「そうですね、全く何も症状がないから。本当にそうかと思っちゃう。」

「なるほどね、そうかも。じゃあ、一度私の脈と比べてみましょうか。」

パルスオキシメーター(酸素飽和度計)を使って、脈拍を音を出して確認してみます。

「私の場合は、規則正しかったですよね。でも、あなたの場合は脈拍数には問題ないけど、音の感覚が規則正しくないのわかりますか?」

「はい、そうですね。」

「このような不整脈を心房細動っていいます。」

「そうですか、やっぱり心房細動だったんですね。」

「はい。でもお話ししているように、今すぐ命の危険がある不整脈ではないので、アブレーションについて積極的でないのなら、血栓症に注意しながら、治療を続けていくことで大丈夫だと思いますよ。」

 

心房細動は、症状のばらつきが大きな不整脈です。無症状の人も多いですが、脈拍数が大きくずれて、すぐつらい症状が出る人もいます。

ただ、不整脈そのもので心停止になるような疾患ではないので、自覚症状の有無や心機能の程度によってアブレーションの適応を考えて行くことになります。

私としては、長い将来を見据えた時には、出来れば心房細動を根治してしまった方が良いと思ってはいます。しかし、この方のように自覚症状が全くない場合には、患者さんの考えが最も優先されるべきだと思います。