70代男性、糖尿病で15年以上にわたって治療を続けてもらっています。

最近はHBA1cが上昇傾向にありましたが、今日は8.9%まで上昇していました。

 

「うーん、数値良くないですね。何か思い当たることありませんか?薬のんでいないとか、甘い飲み物を飲んでいたとか。」

「いや、そう言うことはないんですよね。」

「そうですか、それではどうしましょうかね。」

「もう二月、このまま見てみたいと思います。」

「この数回のHBA1cの数値を見ると、あまりのんびりはしていられないと思いますよ。」

「頑張ってみます。」

「わかりました。それでは1ヶ月後に再度受診していただきましょう。今日は今の状態がどう言う状態が一度基本的なことを掴んでもらいたいと思います。」

「はい、どう言うことでしょうか?」

「糖尿病は食べたもののカロリー(糖分)と体が処理できる能力のアンバランスで起こります。今のあなたの状態は、HBA1cが上がって、体重が減っている。糖を処理するインスリンの量が足りないから起こっているんですね。」

「はい。」

「今はグリメピリドという薬で膵臓からからインスリンを無理に分泌させて治療をしていたのですが、その薬が効かなくなってきていると思ってます。だから、インスリンの注射が必要だと思うんですよ。」

「そうなんですか、、、。」

「そうですよね、インスリン注射はやりたくないですよね。でも今の状態が続くとどんどん体は衰弱していくと思います。一月待つことにしようと思いますが、その間に体重がどんどん減ってくるとか、喉が乾いて仕方なくなるような症状があれば、すぐに連絡してくださいね。」

 

患者さんにとって、自分で注射をしなければいけないのはなかなか心理的なハードルも高いものだと思います。一月かけて納得していただければ良いかと思いました。