50代女性、いつもは甲状腺疾患で通院しています。

今日は、胸がドキドキしているとのことで来院です。

心電図をとってみると脈拍数が毎分160回、完全に不整脈の心電図です。

 

「脈が160回と、とても早いです。でも心電図の波形はそれほど危ないものではないんですよ。」

「そうなんですね、雪かきをしている時から変なんです。」

「この不整脈は、発作性上室性頻拍といいます。薬ですぐ止められることが多いです。まず使ってみましょう。」

 

ベッドに横になってもらい、薬剤を注射すると、程なく不整脈は止まり、元の脈に戻りました。

 

「どうですか、気分は悪くないですか?」

「はい、大丈夫です。」

「発作を止める薬がとてもよく効いたので、次の発作が起こったら、この薬の飲み薬をのむ用にしましょう。」

「はい。」

「今後あまり発作が多くなる場合には、予防の薬を使おうと思います。」

「はい。」

「それでもうまくコントロールできない時には、カテーテル手術という手段もあります。」

「あのぅ、普通にしていても良いんですよね?」

「うん、いつ起こるかわからないしね。普通にしていて良いですよ。」

 

そうなんです、今日のように一度にあんまりたくさんのことがあると、患者さんはどうしても混乱してしまいます。今回はそれほどたちの悪い不整脈ではなかったので、幾度かの通院の間に安心、納得していただければ良いかと思いました。