やっぱ野球とは関係ないっす。
さてさて。
1/9の朝。
ベッドから出るとやっぱ右膝が痛い。
ボードは止めてスキーにしよう。
私はボードのほうが好きなんですけどね…
☆★☆★
そもそもボードを始めたのは…
当時勤務していた大学病院の先輩、I医師の一言。
「明日、ヒマっすか?」
ビミョーな敬語は先輩なんだけど年下だから(笑)
気が付いたらその日のうちにボード一揃えを買っていました。
何回か連れていってもらい、下手ながら何とか滑れるようになった頃。
あれは4月?5月?うーん、よく覚えてないや、の某土曜日。
病棟でのチーム回診を終えて
I先生
「明日、ヒマっすか?あ、そう、んじゃ今から行きましょう。宿、とっときますから。」
え?
もう雪なんて無いでしょ。
どこ行くんスカ?
「大丈夫。あるとこには雪、あるっス。」
I先生のランクルにボードとブーツと荷物をポイッとほうり込み、GO!
GOはいいけど
どこにGOするのか聞かされてねーし。
気が付いたらランクルはユーミンを流しつつ中央高速というベタな展開。
高速を下りたら真っ暗で何もわからんし。
旅館で酒呑んでメシ食って爆睡。
「朝っす。」
起こされて外に出ると正面にデッカイ山。
木曾駒ヶ岳…
中央アルプス最高峰。
てっぺんにチョコンと雪帽子を被っている。
おー、中央アルプスまで来ちゃったのね。
「あのてっぺんまで行くっス。」
ちょこっと車に乗り、
「ここからはバスっスね。」
車の中で着替え、バスに移動。
と、
何やら異様な一団が乗り込んできた。
ヘルメットを被り、ザイルを襷掛け、腰にはカラビナをガチャガチャぶら下げ、ピッケルとクランポンを手にした一団…
ホンマもんのクライマー集団。
ボードを抱えている私達に一瞥をくれ、席は空いているのに立ったまま。
これから行くトコはどんなトコ?
一抹の不安と共にバスは右に左につづら折れの山道を登ります。
いいかげん車酔いしそうなところで停車。
クライマー集団に続き下車すると…
ロープウェイの駅。
まだ登るん?
ゴンゴンとロープウェイに揺られ、着いた先は…
木曾駒ヶ岳千畳敷カール。
標高2600メートル。
太古の時代、氷河に削られた地形がそのまま残る場所。
東京ドーム何個分あるのか…
あまりに広大て距離感が掴めない。
岩と氷のデッカイすり鉢。
麓からは小さく見えたのがこんなにスケールが大きな場所だったとは!
クライマー達がアンザイレン(ザイルでお互いの体を結び合う事)し、白い靄の中へと消えていく…
目をこらすと靄の向こうに赤だの青だのゴマみたいなちっちゃい点々が見える。
ボーダー達でした。
スゲーとこに来ちゃったな。
「ここから先は自己責任の世界ス。怪我しても誰も助けに来ないス。」
呆然とするセキトバさん。
突然、
「らくせきー!」
の声が響き、
目の前を人の頭位の落石が岩を砕きながらゴロンゴロン落ちていきました。
どひゃー!
ヤバイぞ ヤバいぞ。
とりあえずでっかいボウルの底まで滑り下ります。
スキー場のようにゲレンデが整備されている訳ではなく、音楽もなく、リフトなんてある訳ない中…
広~い斜面を自由に自己責任で滑走する。
「き、気持ちイィー!」
フカフカの雪が突然アイスバーンに変わったり、気が抜けない。
サーっと遥か前を横切るI先生の背中が笑ってる。
ボウルの底にたどり着き、I先生とハイタッチ!
ボードを脱ぎ、リーシュを腕に絡めて登りのハイクアップ。
酸素が薄く、胸が痛い。
ロープウェイの駅を過ぎてもまだ登る。
傾斜がキツくなり、つま先を雪面に叩き込みながら一歩一歩登る。
足元ばかり見ちゃいけない。
顔を上げて落石に備える。
注意深くボードを履き、呼吸を整えて…
一気に滑降!
何回繰り返したでしょうか?
いつの間にか天気はピーカンとなりリュックの水もからっぽ。
満面の笑みと共にI先生…
「やっぱジャンプでしょ」
で、
大の大人が2人してジャンプ台作り…
傍目から見ると…
怪しげな男2人が一生懸命雪を運んでいる。
火曜サスペンス劇場的には
「死体でも埋めてんじゃねーの?」
的なアヤシイ光景。
あまりの暑さにTシャツ1枚となり、更に怪しげ感アップ。
アハアハ笑いながらジャンプを繰り返す雪まみれの二人。
散々飛んだ後
「バスの時間っす」
え~、もう帰るんスカぁ?
未練を残しつつ東京へ。
現実に戻り、朝も早よから病棟で指示書き。
「はい、宜しくね。」
点滴指示簿を渡した相手がまさかの今の妻だったりするのですが…
★☆★☆
って…
脱線しまくりですね。
そうそう、
1/9の話でした。
最初からスキーを借りました。
右膝を庇いつつ…
Jr①とやっと一緒に滑れました。
リフトの上のJr①の鼻歌…
埼玉西武ライオンズのチャンステーマでした。
いかんなぁ…
写真は
ダチョウ倶楽部の
竜ちゃんです。
セキトバさんではありません。