慎太郎の憂鬱。
ぼんやりとした視野に投手の背中が見える。
左足が上がり、一瞬、スライダーの握りが見えた。
ボールが放たれた瞬間、ピントが合った。
黒いユニホームの打者が振り抜く。
真っ直ぐに自分に打球が飛んでくる。
ぴっぴっと芝を跳ねて飛んでくる。
いつものようにタイミングを合わせ、グローブを差し出す。
ダブルプレイ!
思った瞬間、球が上に跳ねた。
あっ!
必死でグローブを差し上げたが及ばない…
ホームに砂煙が上がり、立ち上がった黒いユニホーム。
白い歯がこぼれる。
「うわっ!」
跳ね起きた内村は嫌な汗をかいていた。
あ、夢…
ふぅ…
最近、こんな夢ばかりだ。
仕方ないな。
バットを手にして寮の1階に降りる。
スタンスを決め、軽く振り、感触を確かめる。
と、
視線を感じた。
桝田慎太郎…。
やはり、バットを持っている。
所在無げにバットを振り始めた。
「ウッチーさん」
「ん?」
「二死満塁、ピーゴロの場面が夢にまで出るんですよね。あの歓声までリアルに。」
9/25 対西武、9回裏、一打逆転のチャンス。
「俺なんか、最終戦の最後のバッターだぜ。」
内村がバットの感触を確かめながら答えた。
慎太郎、
「自信、無くなりました… 1軍のレベル、思った以上でした。」
内村のバットが止まった。
「西谷さんがな…」
「尚徳さん?去年、ウチから阪神の育成に移った…」
「戦力外だってさ」
「え?」
慎太郎がごくりと唾を飲み込む。
「俺達が今、ここにいる意味を考えないとな。俺達が頑張ったから 西谷さんは出された」
慎太郎は深く深呼吸をした。
「心配する時間があるならバットを振れ、という事ですね。西谷さんの分も…」
「うん。でも西谷さんの事はもう関係無い。俺達が心配するのは あの人に失礼だしね…」
「まず7日からの秋練を頑張るしかないですね」
「そういうこと。また横一線から始まるしね。うん、やっぱ寝るわ。お先っ!」
「あざっ!頑張りますっ!」
階段を上がる内村のポケモン靴下を見ながら
慎太郎はバットを思い切り振った。
どもっ!

セキトバですっ!
書く事が無いですねぇ。
星野仙一さんが次期監督になるのでしょうか?
うーん…
西谷尚徳選手には また頑張ってもらいたいです。