日月抄その三
どもっ!

セキトバですっ!
昨日は安心して見れた試合でしたっ!
楽 9 - 4 オ
ナイスゲームでしたっ!
応援の皆様、雨の中 ご苦労様でしたっ!(^O^)/
日月抄その三。
「打った、打った
」
」楽しげに弾むように歩く内村。
「お…あれは?」
二人の男が縁台に座り、何やら話しこんでいる。
小山と木谷であった。
小山が立ち上がり、励ますように木谷の肩を叩き、去って行った。
内村はいつも小山に菓子を取り上げられるのであった。
それ故、小山の背中が小さくなるまで見届け、木谷に走り寄った。
「お、内村…」
「ちぃすっ!お菓子、食べますぅ?」
「そのような気分にはなれんのじゃ。」
浮かない顔で木谷が応えた。
一瞬の逡巡の後、
「のう、内よ、我等のこの仕事、因果なものとは思わぬか。」
内村は菓子袋に入れた手を止め、怪訝な目を木谷に向けた。
「内よ、拙者、二試合連続の中継ぎ登板があったじゃろ。」
ウンウンと頷く内村。
「一本は打たれましたが、まずまずの投球であったと…」
「それよ、今想うに 球団に試されていたやもしれぬ。」
「は?」
「岩隈殿がな、来期は米国に渡る噂がある。当然、投手陣の整備が急務じゃ。」
内村は菓子の入った巾着袋の紐を結びながら小さな声で呟いた。
「ありえませぬ。信じませぬ。来期こそ…」
木谷が声を被せた。
「じゃがな、ワシに関しては一軍に本当に必要な選手か、見極めるための登板であったかと…。さもなくば交換要員として価値を高めるための…」
「やめて下さい!私も育成出身故、厳しさは承知。しかし、まだ戦は残っておりまする。」
「厭な節じゃな。この節は自分の身の行方を考えずにいられぬ。」
「何を笑止な!これでも食べて元気を。先日、藤崎で仕入れたモノでござる。」
内村の小さな手から指の長い木谷の掌にころりと…
こんぺいとう。
「くさくさした時は甘味でござる。ではっ!」
ニッコリ笑って内村は駆けていった。
「そうじゃの。留まる事が目的ではないのじゃな。今一度、先発を目指し、稽古に励むかの。」
曲がり角の先、行き止まりで内村が小山に捕まり、こんぺいとうを全て巻き上げられたのを木谷は知る由も無かった。