楽天日月抄 | のだま(野球)カンタービレ

楽天日月抄

「のう、高須殿」小山が呟いた。

「何故こうなってしまったのじゃろう…」

フン、と鼻を鳴らして高須が遠くを見る。

「夜店で売ってる鼠と同じじゃ。必死でカラカラを回しておる。
我等も同じじゃ。いくら走ろうとも前には進まぬ。」

汗を拭きながら小山が息をつく。

「落ちぬのだ。シンカーがな。一時の切れがのうなった。」

「皆、疲れておるのだ。CSという錦の御旗を見失った故…」

と、目の前を三人の男達が駆けてゆく。

「何じゃ、内村ではないか。」

追うのは渡辺、聖澤である。

内村の袖から何か、ぽろりと落ちた。

拾いあげた聖澤。

「む。これは…」

ヤクルトミルミル…

「内っ!お主、ロッテのみならずヤクルトまで内通しておったかっ!」

疾風のように3人は駆けていった。

高須がため息をつく。
「元気じゃな。きゃつらは。」

「それにしても太った。違った、ふと想うたのじゃが、これからいかに戦うか、問題じゃな。」

高須が前を見つめた。

「それよ。何でも松井稼頭央とかいう者を引き入れる噂もある。わしもうかうかできん。まだ隠居には早い。これよりの戦で 高須ここにあり、を示さねばならぬ。」

「そうじゃの。わしも福盛殿の突然の隠居、気を引き締めねば。
うむ。腹も空いた。
せっかく福岡にいるのじゃ。長浜ラーメンでも…」

腹をさすりながら小山は答えた。

「お主は食い気ばかりじゃのう。
さて、この屋台で良かろう。」

と、屋台に先客が。

小山が驚いた。

「うわっ!お主、手負いかっ!」

振り向いたのは内村であった。

渡辺と聖澤をまいて腹が空いたところであった。

紅しょうがで口の回りは真っ赤であった。