多分私には
「失敗を見つけ出してしまう脳のフィルター」が
あるのだと思う。
それは特に、家族に向けられている。
娘や夫、そしてもちろん自分にも。
拙著『神さま、次のセリフを教えてください』にも書いているとおり、
私たちの脳は、毎秒ものすごい量の情報をキャッチしている。
そのほとんどが無意識下に流れていき、
そのうちのわずかだけを
脳は意識的に選別する。
そしてその脳の選択は、
私たちが心の中で強く信じていることが決め手となる。
その脳の特徴を
私は「脳のフィルター」と呼ぶ。
拙著にも、このブログでも以前書いた
娘のピアノの発表会のエピソードにもあったように
私の脳は「失敗」をキャッチしやすいのだと思う。
義姉にはもしかしたら見えていなかった失敗を
私は6回も見ていたのだから。
夫だって、6回も失敗したとは全く思っていないし
失敗の数を数えてもいない。
これは、間違いなく
私が育った環境に起因している。
気をつけたいと思っていても、
失敗を見つけ出してしまう癖は
確実に私の中にある。
仕方ないとはいえ、でも、
失敗なんか引っかからない脳のフィルターが欲しい。
数年前の9月のこと。
新学期が始まり
子どもたちの習い事がスタートしていた。
その前の年からから始めた体操教室の
継続の申し込みに行ったら
先生からは
今年からコンペティションクラスに入れたからと
言われてしまった。
それは、「競技に出る選手になるためのクラス」ということになる。
そのために、週1だったのが週2になり、
これまでは20名くらいだったクラスから
たったの6名の集中的なクラスになる。
そんな厳しそうなクラスに娘がついていけるんだろうか・・・
と心配しながらも、
私の中に決して小さくはない疑問がよぎる。
なぜなら私は
娘が「選手になるほど体操に向いていない」し、
「他の子と比べても絶対能力は劣る」
と思っていたのだ。
もちろん、娘の前で比較することは一切しないだけれど
私は、正真正銘、
娘の失敗をすぐに見つける脳のフィルターの持ち主なのだ。
先生は違う子と勘違いしているに違いない。
私のフランス語力が低いせいで、私は聞き間違いをしたのだろう。
って、そもそも私のフランス語力が低すぎるから
英語で会話してるんじゃんっ!
「すみません、本当にうちの子の話しています?」
「娘が選手のクラスに入れるとは到底思えないんですが」
娘が一緒にいなかったので
私ははっきり聞いてしまった。
でも先生は笑いながら
「娘さんですよ。私たちは彼女がとても向いていると思っているから」
フランス語ではなく、英語のお返事。
衝撃だ。そんなはずはない!
納得がいかない私(← 逆親バカ)は、
もう一人の先生にも聞いてみた。
うちの娘が本当についていけますか?と。
先生は、疲れちゃうのを心配しているの?
彼女なら大丈夫よと言ってくれる。
家に戻り、娘に伝えると
娘は週2回通いたいとのこと。
私はやっぱり納得できず(しつこい)
なんでコンペティションクラスに選ばれたんだろう、
本当かなあ?と何度も言い続けていた。
お友だちと違うクラスになっちゃうんだよ、
なんでお友だちはそっちのクラスに入れなかったんだろう??
あなただけ選ばれたのはなんでだろう?
比較はしないと言っているはずなのに、
平気でこんなことを言ってしまっている私。
なんなんだ私は。
娘には向いていないという自分が勝手に持った「真実」を
しつこく信じたくて
もしも娘が「やっぱり間違いでした」
と言われたら、傷つくじゃないかと
勝手に余計な心配をしている。
私の中に、こんなにも
娘に対する心配や信頼のなさがあったなんて・・・!
母親がこんなにも心配するのだから
選手のクラスに選ばれ
やる気いっぱいで
嬉しそうだった娘自身も、
やっぱり自分ではないのかも、
間違いなのかもと、不安になり始めていた。
結果、無事にクラスは始まり、
娘は週2回を楽しそうに通い始めた。
最初の基礎トレーニングを見ただけで
私は、即、辞めたくなるくらい
まあまあ大変そうなのに、娘は全然平気だという。
私には全く見えていない娘の良さ。
先生にしかわからない娘の力。
どうしよう、それでも
私は相変わらず娘がそんなにできると思えていない。
体操教室に迎えに行くと
娘は一生懸命練習をしていた。
他の子たちは実はもう上手にできている。
娘はまだ上手にできない。
でも、娘は、
他の子と自分を比べたりなんてしていない。
私だったら、
「私は下手だから」と言って、
みんなの前で練習することなんてできないし
周りの目を気にしすぎてしまうだろう。
でも誰も気にしていないし
娘も気にしていない。
楽しそうに練習している。
帰るよ!と声をかけると
娘はもっと練習したかったのにーと
笑いながら走ってきた。
誰とも比較せずに
ただ自分のために練習しているんだね。
先生もお友だちも
絶対に比較しない。
みんなそれぞれ自分に集中しているし、
バカにすることもなく、
お友だちが教えてくれることだってある。
なんて素敵なんだろう。
その瞬間私は気づかせてもらった。
私は比較して、娘を見ていたけれど、
比較することなく、真っ直ぐに娘を見ればいいだけなんだ。
失敗に目がいっちゃうフィルターを
持ったままの私だけど
あなたの一生懸命さや、
楽しそうに取り組んでいることや
頑張ってることだって、いっぱい見えてくる。
これをもっと見よう。
あなたの真剣さや夢中になって楽しんでいる姿を
もっといっぱいキャッチしよう。
私の脳のフィルターは
こうやって少しずつ変わっていくはずだ。
ちなみにその後、娘はどんどん上達していき
私の心配をよそに、本当に何度も大会に出るようになっていった。
今はこの体操教室はやめて、ダンスだけに集中することにしたけれど
大会に2年間でた経験は、彼女にも私にも宝物。
先生、私には見えていなかったものを見せてくれて
娘を選んでくれてありがとう!
今日もお読みくださりありがとうございました!
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