こんにちは。
ドラマセラピストの中野左知子です。
今日は、4月から始まった
ドラマワーク・ファシリテーター・トレーニングについて書きますね。
アメリカのドラマセラピー学会と同レベルの
ドラマセラピストになるのには、
かなりの時間が必要です。
ですが、ドラマ、つまり演劇のワークは
ドラマセラピーではなくても
素晴らしい力があります。
セラピーでなくても、
ドラマのワーク自体が、
人が健康になろうとする力や、自分を成長させる力を育ててくれるのです。
だから、
ドラマセラピストにならなくても、
ドラマの力をちゃんと理解して、
自分がドラマを通して、何を伝えようとしているのかという
目標をちゃんと持っていれば、
ドラマワークは様々な分野でとても役に立つと思います。
今回、私がこのファシリテーター・トレーニングを開いたのは、
ドラマそのものの癒しの力、その深さをしっかりと体験し、学んだ上で、
自分がドラマを使って、どんなワークをしていきたいのかを見極め、
ドラマワークをプランニングできる人を育てるためです。
(そのためにドラマセラピーを体験し、理論を学んでもらいます。)
そういう人が増えたら、
学校、病院、養護施設などで、
ドラマワーカーが活躍できますよね。
もう何年も前のことですが、
大学で心理学を教えていた頃、
私は心理学を教えるよりも、
自分の心がどう成長していくのかを体験してもらいたいと思い、
ドラマセラピーやアートセラピーのエクササイズを使っていました。
ほぼ体験型のこの授業は、
最初学生たちには、びっくりされていたようでしたが、
結局、ほとんどの学生から、
「以前よりも自信がついた」という嬉しいフィードバックがありました。
中には、学校をやめようと思っていたけれど、やめるのをやめた、とか
友達ができなくて悩んでいたけれど、親友ができたなどの
報告もありました。
でもこの授業では、
実は「セラピー」はやっていないんです。
そもそも、学生たちは、ドラマをやりたくてこのクラスをとったわけではないですし、
そういうものが得意な子を除いて、
ほとんどの子たちは、こういう表現活動は苦手な様子でしたし、
授業はセラピーではないので、
私はあまり突っ込んだワークは展開させませんでした。
私の授業を通して、人との関係をどう育て、自分がどう成長していくのかを
体験してもらえれば十分でした。
そのためにやっていたことは、
ひたすら、簡単なドラマやアートのエクササイズのみ。
強調して書きます。簡単なものだけです。
もちろん、私がドラマセラピストであり、
目的も、何をやっているのかも、どこまでの深さでやるべきかも
ちゃんと考えた上なので、
そういう意味では「ドラマセラピー」です。
でも、ドラマそのものに力があるので、
セラピー効果につながることも事実です。
ドラマワークをやるとなると、
うまくできないのでは、と気にしてしまう人も多いです。
そして、授業だから、
得意な子が成績が良くなるのでは?と思ってしまうかもしれません。
なので
彼女たちには、
「得意な子は、目立って見えるけれど、
苦手な子にとっては、ここにいるだけでも、大きなことだと思うから、
目立って何かができるかどうかは、ポイントではないからね。
あなたなりに頑張っているのはわかっているから、
気にせずに、自分ができる範囲でやればいいよ」
とよく言っていました。
上手にできなくてもいいんです。
それが得意になる必要もありません。
しかも簡単なものでいいんです。
それでも、最終的に、
彼女たちは確実に成長した自分を確認してくれました。
私に内緒でつけられたアンケートでも、90%以上が満足の結果を
頂きました。
日本中の大学の1年生に、この授業ができたら、
大学にとっても役立つだろうなーと思います。
学生たちが自信が持てたら、その後の学習への意欲も、
将来への展望も変わりますよね。
私たちはみんな、子供の頃から
特に演劇的な遊び(ごっこ遊びなど)を通して学び、成長していきます。
私たちが自分を癒し、育てるための、
生まれながらにして持っている知恵が、ドラマなんです。
そう考えても
ドラマワークが
役立てられる場所は、もう無限にあると思います。
子供だけでなく、お年寄りまで、
誰でも、
ドラマワークは向いているのだから。
以前、ドラマセラピストの養成講座を開かないかと
言われたことがあります。
でもその時私は
「現場が増えて、人に知られることの方が先だ」と
思っていました。
ドラマセラピストの養成は、一人でできるものではないので、
私だけでは無理ですし。
ドラマセラピーも認知度は低いですが、
ドラマワークもまだまだ低いですよね。
ドラマワークの現場が増えていくことで、
将来的にセラピーの必要性も出てくるのかなと考えてみると、
今は、ドラマワーカーを育てていくことが、
ドラマセラピストの私ができることなのかなと思います。
私の知り合いにも、
素晴らしいドラマワーカーが何人かいますが、
本当にいい仕事をされています。
こんな風に、
日本で活動できるドラマワーカーがもっと増えてくれたら嬉しいな!
という願いもこめて、
このドラマワーク・ファシリテーター・トレーニングを
始めました。
1年経って、参加者の皆さんが、
現場を増やしていってくれたらいいなー!
彼らもみんな、ドラマを仕事にしていくパイオニアの仲間です。
今日もお読みくださりありがとうございました!
