2週間後、審判離婚成立。相手の署名捺印無しの離婚届を提出

 

 

 2週間経ってもN弁護士から連絡がないので、意を決して私の方から弁護士事務所に電話を掛けました。 

 N弁護士は、先ほど裁判所から審判調書の原本が届いたので、午後にでも電話しようと思ってました、と話しました。

 

 離婚届の提出を早めにした方が、お金の振り込みも早いと思うので伺います、と審判調書の原本を翌日受け取りに行く事にしました。

 

 

 審判離婚の場合、判決離婚と似たような効力を持つので、離婚届の提出の仕方が協議離婚や調停離婚の場合と異なります。

 

 ・役所に行って審判離婚をした事を告げ、離婚届を提出したい旨を伝える(離婚日は、審判調書が有効になった日付になる。 届を出した日ではない。)

 

 ・離婚届には、審判調書の原本を持っている側が、自分の分だけ氏名や必要事項を記入する(妻あるいは夫の分だけ書く)

 

 ・残りの部分については、誤記入が無いよう確認しながら記入し、記入後は審判調書と一緒に、最寄りの役所に提出する

 

 

 離婚届はその性質上、住民票がない土地でも、国内どこでも提出できるようになっています。(DV等からの避難の場合も離婚を可能とするため)

 

 私の場合、仕事の関係で住民票のある市役所に出入りする事が多かったのと、N弁護士から”離婚届は家で書かない方が良い”と聞いていたので、

 知り合いのいない隣の市の市役所に行って、戸籍係から説明を受けながら離婚届を書いて提出することにしました。

 

 

 

 N弁護士の事務所で、審判調書の原本と年金事務所に提出するコピー(年金分割割合が調書に書かれている為、年金分割の手続きの際に提出する)を受け取り、清算時にまた伺いますとN弁護士と事務員さんに挨拶して、一つ隣の市役所に車で向かいました。

 

 

 運転しながら感極まって泣きそうになりましたが、今泣いたら酷い顔で役所に着いてしまう、と思い、舌を噛みしめ涙を止めました。

 

 

 やっと、自由になれる。

 ドロドロした感情やしがらみから、自分を解放できる。

 

 伴侶がいなくなる寂しさと、愛憎を手放して自由になれるという、相反する感情を持て余しながら、私はこの10年余りで自分が人として成長できた事を誇りに感じていました。

 

 

 

 I市役所の戸籍課で、予定通り審判調書の原本を見せ事情を説明すると、戸籍係の担当者は焦って奥に確認に行きました。(審判離婚を担当した事のない戸籍係が多い)

 

 それから15~20分程待たされ、やっと確認が取れた事で離婚届の記入はスムーズに済み、10分後には無事記入を終え、提出する事ができました。

 私だけの新しい戸籍を現住所に作り、苗字は子どもの名前を変えたくなかったので、そのままで変えない事にしました。

 

 提出する際、係の人から

 「届が双方の住民票のある役所で確認され、受付が完了する迄数日かかります。お疲れさまでした」

 

 と声をかけられ、私はお礼を言って席を立ちました。

 

 

 

 出口に向かって歩きながら、私は自然と右手でガッツポーズをしていました。

 

 財産分与や慰謝料などが払い込まれた後、年金事務所に行ったり、子どもの戸籍を移動しようと次のアクションを考えながら…。

 

 

サレ妻復活日記44 に続く