裁判離婚が少ない理由

 

 打ち合わせの日、先日の子どもとの話をN弁護士にしたところ、繰り上げ返済の件は証明が無理かもしれないですね…という話になりました。

 

 ただ、名義は不貞男1人とはいえ、マンションを売却した際の記録を見る事で、不動産売却に寄る共有財産の確認はすべきだという方向で調停を引き延ばして、最悪裁判に持って行きましょう、という話になりました。

 

 

 その時ふと、以前から気になっていた事をN弁護士に聞く事にしました。

 

 「あの、離婚裁判って件数が少ないですよね。調停と何が違うんですか?」

 

 するとN弁護士は、ため息をついて

 「調停よりはるかに相手の弱点を攻撃するパターンになるから、精神的にはより厳しくなります」

と言い、

 

 「ああ、でも法廷には代理人だけ出席すればいいんですよ。〇〇さんは法廷に殆ど出なくてもいいんです。初回と結審の時だげは来ていただく必要がありますが。

 あと、審議書類の内容確認はして頂かないといけません」

 と私を安心させてくれたので、

 

 「そうなんですね。でもそれなら、なぜ裁判離婚はこんなに少ないんでしょう」

 と言うと、N弁護士は

 

 「ぶっちゃけると、弁護士が苦労する割に実入りが少ないんです。裁判だと準備処理する書類とかも膨大な量になるし、報酬はさほど増えませんから……」

 

 

 と、弁護士としての本音をちらりと覗かせてくれたのです…

 

 

 

 そうなのか。

 N弁護士は実入りが大して増える訳でもないのに、私の婚姻費用の期間を引きのばすために協力しようと頑張っているんだ…と気付いて、有難いと思いました。

 

 弁護士報酬は、事務所によって個別に設定する事が可能です。

 N弁護士は、今回は個人の直接契約では無く、法テラスを通した契約にしていました。

 

 法テラスは収入の少ない人が無理なく弁護士を雇える様に、弁護士報酬額も通常より低く設定されており、分割払いも可能です。

 

 要は、法テラス契約で離婚裁判をやっても、芸能人の様に財産分与が大きくならない限り大きな報酬にはならず、弁護士にとっては難儀な仕事になってしまうのです。

 

 そこまでわかっていて、裁判までやるつもりでN先生は引き受けてくれたのか…。

 

 

 探偵事務所のSさんも心療内科のT先生も、私が気がつかない所で色々気を遣ってくれていたのかもしれない。

 

 人の善意に助けられてきた10年余りだったんだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

 私も駄目で元々、主張できることは主張して最後まで闘ってやる、と勇気が出てきました。

 

 

 サレ妻復活日記38 に続く