不貞男は、私に金は渡さない、と子どもに伝えていた

 

 第二回目の調停は、私と不貞男の近年の所得確認、私が預かっていた子どものための学資預金の残高確認、別居時の共用預金口座の残高確認から始まりました。

 

 さらに支出として、私が子どもの為に支払った高校の学費、塾代、大学センター試験や2次試験にかかったお金、引っ越しや下宿契約の費用の確認、入学からこれまでの大学の授業料など、ありとあらゆる子どもの教育費の確認を行い、それらを学資預金から引いたら、殆ど残金が無くなっていたことを示しました。

 

 

 要は、子どもの為に貯めてあったお金は高校以降の学費や塾代、大学受験や入学準備、大学の学費で使い切ってしまい、私が管理していた分の不貞男との共有財産は、殆ど残っていない事を証明しました。

 

 次回の調停日程を2ヶ月後に決め、第二回目の調停を終えました。

 

 

 

 数日後、子どもと電話で話した際、離婚調停が始まった事を打ち明けました。

 

 第一次離婚調停の時はまだ小学生だったため話をしていませんでしたが、もう数日で20歳になるし、いずれバレてしまうのだから隠さない方が良いと思ったのです。

 

 

 静かに話を聴いていたうちの子は、こう言って私を驚かせました。

 

 「やっと始まったのか。お父さんが、言ってたよ。 お前にはお金の心配はさせないから安心しろ。でもお母さんに金は渡さんって。」 

 

 血が逆流しそうになりながら私は

「そんな事言ったの? いつ?」

と聞くと

 「ゴールデンウィークの前かな? 〇〇の近くで一緒に飯食べたんだ。」

と答えたのです。

 

 

 面会交流は出来るようになっているし、コロナ禍とは言え一緒に食事するのは仕方ないとは思いましたが、食事しながらそんな話をするとは……。

 

 しかも、不貞男にとっては敵の私も、子どもにとってはたった1人の母親なのに…相変わらず子どもの気持ちも想像できない無神経な男だ、と怒りに震えていたら

 

 「相変わらずケチだよなぁ、あの人も」

と言ったうちの子の言い方に含みを感じて

 

 「他に何か言われたの?」

と聞き返すと

 

 「いや、お父さんに入学祝で買って貰ったパソコン、壊れちゃったんだよ。よく分からんメーカーの安いヤツを買ってさ。 修理で手間かかるし、パソコン無くて困るし…まいるよなあ。 こんな事なら大学生協で買えばよかったよ。」

 

 と、話が重くならない様に、上手く話を切り替えてくれたのです。

 うちの子の方が不貞男よりよっぽど大人だわ……。と精神年齢が父子逆転してる、と思いながら、うちの子が曲がらずに成長してくれている事に感謝した私なのでした。

 

 

 それと共に、マンションのローン繰上げ返済の話は、この調子だと絶対に認めず有耶無耶にされてしまうのだろう、と敗北感が広がっていくのを感じていました。

 

 

サレ妻復活日記37 に続く