私にとって、
面白い映画とは、
あくまでも、
〈素晴らしい演技〉がそこにあることが大前提なんですよねぇ
ラストに大どんでん返しがあるとか、
エンディングに大感動とか、
CG技術に驚嘆させれらるとか、
号泣させられたとか、
前代未聞!夢の共演とか、
そんなことには、ほとんど興味がないんです〜。
その映画が面白いかどうかは、
出演者の演技の質で決まると思っているんですよね。
演技に魅了されたかどうかが、全てなんですッ
私はかつて、
助監督として映画の現場に立っていたのですが、
当時は、あまりその環境に満足できないでいました・・・。
私が、
もっともっと有能な助監督であったならば毎日を充実した気分で過ごせたのでしょうが・・・
残念ながらそうではなかったんですよねぇ~
そんな無能だった私ですが、
現場では、演技の最前線にいたいと願い、
いつも監督のそばに張り付いていたのです。
ところが、
「テメェ〜!そんなところにいるんじゃねえ~」
と何度も先輩方にケツを蹴り上げられる始末でした〜
(10数年前は、とにかく手や足がよく出たんですよねぇ〜〜)
本来、
下っ端助監督(サード)の仕事とは、
監督の横にいないことの方が多いんですよね。
仕事中は現場を走り回っているものですからね。これは当然の結果です〜
でも、
私の全興味は、
常に、監督と役者の間の空間にしかなかったのです。
そこを目撃するために、
自分は映画の現場に居るんだと信じていましたからね。
刻一刻と変化する演技。
監督による演出という妙技。
俳優たちの死に物狂いの表現。
そういったものに、私は、取り憑かれていたんですよね。
でも・・・
お給料をもらっている手前、
好き勝手ばかりの行動では成り立ちません。
仕方なく、
多くの時間を走り回って過ごしておりました
そんなフラストレーションが、
数年後、
私に映画の現場から離れる決意をさせたのです。
しかし、
撮影現場を離れても、
一流の演技の現場への渇望は消えることはありませんでした。
虎視眈々とそれに近づく機会を伺っていたんです。
誰にも邪魔されず、
誰よりも一番近い場所で、
誰も見たことがない一流の演技表現を目撃したいと念願し続けていたのです。
これはもう、
一種のストーカーのようなものですね
そんな私ですから、
「脚本家」や「演出家」という肩書は、
どこか自分のことは思えない気分にもなるのです。
こういう言葉は、
長い修行の道を歩み終えた方を指すと思うからです〜。
彼らのことを、
一種の職人だと信じていますからね。
事実、
練り上げられた技術の上に成り立つ役職ですし、
そういった方を私は尊敬していますからね
ところが私は違います。
私は離脱した人間ですからね。
「○○家」と語るには、どこか足りない人間なのです。
でも、
映画の現場を離れる時に、
心に決めたことがあったんですよね〜。
それは、
「きっと飛び級してやるッ」
このことなのです。
まるで生意気な小僧っ子のような発言ですが、
「誰かにできること、
誰にでもできることは、
誰かに任せてしまえばいい」
と思ったのですね
いつか、オリジナルシナリオを書き上げて、
いきなり演出の立場で仕事をするぞと自分に誓ったんですよねぇ〜。
一流の演技が私の生き甲斐ですから、
これからも、貪欲にこれを求めていきたいですねぇ〜。
大ベテラン声優が上手いのは、当たり前のことです。
これからは、私の能力を駆使して、大ベテランの表現に匹敵する表現を生み出してみたいと考えています。
無名の声優や俳優も、そういった表現に到達できるものと信じているからです。
さまざまな経験の出演者が集まって、それでいて、全員で物語にリアリティーを与える表現の統一を図りたいと思います。
リアリティーとドラマティックの均衡を見極めることこそがミソとなりますね。
どちらも計算づくで行う表現ですが、そこをしっかりと話し合える仲間を見つけることが目下の課題となりそうです
今後は、
小規模な作品を計画して、そういった準備を進めていきたいですね
いつになったら、
再び大きな企画に挑戦できるか分かりませんが、
今は、耐えて耐えて、シナリオの内容を充実させるしかありませんね。
忍耐の先に、喜びがあることを期待したいですね
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オーディオキネマ代表
山中勇人(脚本・演出)