どこの養成所や専門学校に伺っても、
シナリオをプロ声優の質で読めない方に出会います。
この基礎力について彼らの不安に満ちた表情を見る時、
私はいつも、
「これは、何が原因なのか・・・」
という詮索を相手の方とするようにしています〜
シナリオというのは、
ドラマ制作の過程では、
何よりも始めに出来上がる設計図のようなものになります。
このシナリオというものは、
中学生にも読めるような簡素な読み物として仕上がっていますが、
実際にドラマ制作に関わるプロとして恥ずかしくない読み方をするまでには、
それなりの特訓が必要なんですよねぇ〜
それは、
ト書きとセリフで構成されたこの読み物を、
まるで小説でも読むかのように豊かに理解する読み込みが求められるのです。
この読解力を自力で得たいならば、
何よりもまず行うべきことが、
名作映画シナリオに沢山の目を通すということが必須になるのです。
もちろん、
シナリオ読解力についてのトレーニングをすっ飛ばして、
プロの声優として活動している方もいるかと思います。
そんな方々は、
このシナリオ読解力の習得を、
他の特訓で置き換えているものなんですよね〜
そういった人物は、
【１】長年、あらゆる小説を貪り読んで来た。
【２】優秀な演出家のいる劇団で長年特訓を積んで来た。
【３】名作と言われる映画をしこたま鑑賞してきた。
【４】幼い頃から、親より演劇やドラマの薫陶を受けてきた。
などといったいずれかを経験しているのだと思います。
ちなみに、
私のドラマCD作品に出演されたメインキャストの多くは、
【１】〜【３】を同時に行なっていた過去を持っているようですね
つまりは、
自分がここに該当しない場合、
その差を埋めるための活動を、着実に実行する必要があるんですよね〜。
私の場合はというと、
上記のいずれにも該当しないままに上京してきたのですが、
この現実を知るまでに数年を要してしまいましたねぇ〜
そして、
この事実を知りつつ重い腰をあげたのは、30歳を過ぎた頃だったと思います・・・。
後悔先に立たずですが・・・もう少し早く行動をすべきでしたよね。
周囲の若者には、
反面教師としてそんな話を聞いていただきますね
声優という職業は、
日本語の奥深さに詳しく、
日本語の語り口（節回し）を習得していて、
日本語を美しく聴かせることができなくてはなりません。
プロ声優の武器となる、
読む力と聴く力を鍛えることが、
新人声優に求められているのですね
シナリオを読む技術とは、
これらの源になる大切なものなんです。
さて、
そんなシナリオ読解力についてお困りの方がいるならば、
何よりも私がオススメしたいのは、
【３】名作映画をしこたま鑑賞する
という項目になります。
これを選択する理由は簡単です。
繰り返し観る作品の〈質〉が、
自分の表現の〈質〉になっていくからです
なにはともあれ、
超一流の演技に触れることが一番です。
本当に良いものを知ることが、表現者とって最も大切な知識ですからね
そして、
できることならば・・・
それと同時に、
シナリオを読み込む特訓も初めて欲しいですねぇ〜
読む力と聴く力は、
一緒に訓練していくことが、表現力を身につける近道になります。
一朝一夕には習得できない技術ですが、
これが、プロへの第一歩になるのです。
大ベテランと五分の立場で共演出来てこそ、新人声優というものですよね。
たとえ演技経験で負けても、
シナリオ読解力では負けない矜持を持って欲しいですね。
それは、十分に可能なことですからね
◆◆◆開催予定のワークショップ◆◆◆
【3ヶ月間 声優ワークショップ】
（全12回）
2021年1月開催。
月曜朝・夜クラス、金曜夜クラスの３クラス。
シナリオ一冊と、そのドラマCDが教材。
大御所声優のシナリオ分析の全貌について徹底解説します。
シナリオを〈プロの声優として読む〉スキルが、
プロで通用する演技表現を実現します。
レッスン内容や目的は
http://dramacd.moo.jp/prolevel.pdf
オーディオキネマ代表
山中勇人（脚本・演出）
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