私が、
声優学校の事務員として働いていた時、
（渋谷駅前にあったHyper Voiceです。）
プロを目指す新人たちを見て驚いたことがありました。
それは、
誰一人として、
仲間内で本気で演技の話をしようとしないことでした
時々、
何やらそれらしい会話をしていることもありましたが、
ちょこっとそんな輪に参加してみると、
まるでプロを目指す役者とは思えない芯の無い内容なのです
20も半ばになって、
シロウトみたいでは困ってしまいますよねぇ
でも・・・
プロ技術の習得を目指す方々が、
なぜに、演技表現についてのディープな会話へと向かうことが出来ないのか・・・
これは、
当時の私には、
全く理解できないことだったのです・・・
その後、私は、
多くの新人声優さんたちと、
この問題について意見交換してみたのです。
すると、
皆さんの本音が見えてきたのです〜
実は、
役者らしい会話に対して、
情熱を抱えている人はいるんですよねぇ
それもかなりの割合の方がそうだったのです。
しかし・・・
それをなかなか表に出せない、
その共有を他者に求められない風潮が、
声優学校や養成所には漂っていると言うのです
私は、
プロデビューが急がれる新人声優さんの立場が、
こういった現状を招いているのではないかと思いますね。
いち早く事務所所属者になること、
いち早くデビュー作に巡り会うこと、
を優先してしまうと、
たとえ稽古場であっても、
しくじりを恐れるような体質になってしまいます。
この雰囲気は、
攻めた演技を披露する姿勢も弱らせ、
演技について討論する機会を失わせ、
過激な意見を避けようとする遠慮も発生させます。
これでは、
まるで本質を欠いた稽古場となってしまいますよね〜
ほとんどの新人声優さんが、
この現状に気づいていながら、
正しい道に戻せないストレスを抱えていたのです〜
私は、
ドラマCD制作を企画したとき、
そういった若者たちが、
本気で大御所声優の演技を評論し合い、批判し合い、その技術を論じ合い、研究する素材を作りたいと思いました
4枚のCDで完結するという長編ドラマにしたのもそれが理由です。
本格派時代劇にしたというのもそれが理由です。
多くの大御所声優さんに協力を仰いだこともそうです。
なぜなら、
一流の声優による会話演技からしか得られない技術というものがあるからなんですよね
そこにこだわった結果、
このCDが誕生したといっても過言ではないと思いますね
（出演者事務所のマネージャーさん達には、そんな話をさせてもらいました〜〜）
ですから、
繰り返し聴くことで、
なぜに彼らがレジェンドと呼ばれているかが分かると思います。
彼らの演技を聴き込むことで、
徐々に見えてくるものがあるはずなのです
彼らの繊細な表現、
陰湿なまでの作り込み、
共演者との調和の取り方、
セリフの節回しや間、調子の生み出し方、
役作りの芯に据えたものの正体、
セリフの終わらせ方、
キャラクターの終わらせ方、仕舞い方、
作品のテーマについての理解、
キャラクターやセリフが醸し出す詩情、
シナリオを超えていく一流ならではの凄味の出し方、
などなど・・・
書き出したらいくらでも出てきそうですね
そういった練り上がった質の高い表現から、
盗みきれないほどの技術をみることができると思います〜
ドラマCD『研ぎ師伊之助深川噺』には、
出演されているベテラン声優の数だけ、
新人さんならば、
是が非でも手にしたい声優スキルが潜んでいるんです。
聴くだけでスキルアップになると信じて、
じっくりと聞いて欲しいと思います
そして、
（ここが私の願いですが、）
他にもこの作品を聴いた方が身近にいたら、
絶対に仲間になって、
本気の演技の話をしてください
このCDで新たに芽生えた感性を、
その相手にぶつけてみてください。
きっと、素晴らしい反応があるはずですから
是非とも、
本物の声優らしい会話が成立する楽しさを見つけて欲しいですね。
★11月開催のWS
プロに必要な〈シナリオの読み込み〉を行い、
その深いシナリオ読解を元に、
〈プロ表現へにじり寄る演出〉を受けて頂きます。
この行程を丁寧に具体的に体験して頂くことで、
アフレコ現場に必要な本当の基礎スキルについてご理解頂けます。
【月曜・火曜・木曜クラスがスタートします】
詳しいレッスン内容と目的については、
http://dramacd.moo.jp/201811_ws.pdf
★オーディオキネマ制作作品
豪華声優陣による長編時代劇ドラマC
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研ぎ師伊之助深川噺 上巻 (ドラマCD)
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上下巻で全４枚のCDとなります。
オーディオキネマ代表
山中勇人（脚本・演出）
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