図書館で出会いました。

「山田洋次×藤沢周平」
吉村英夫著
大月書店
山田監督の時代劇に特化して、
その素晴らしさを語る本なのです
2000年以降、
三本の時代劇映画を制作された山田監督。
そのどれもが、
2000以降では最高の質を誇る作品ばかりです
この時期は、
多くの時代劇映画が作られるミニブームとなりますが・・・
他作品は、
どうしても山田監督の足元にも及ばない出来ばかりなのです・・・・
悲しい、寂しい、事実ですぅ・・・
この本の特筆すべきこととは、
山田監督の時代劇を、
黒澤監督の手腕と比較しながら、
その素晴らしさの詳細に光を当てていくところにあります。
さらに嬉しいのは、
著者吉村さんの山田洋次さんへの敬愛が溢れているのが、
随所の文章に詰まっていることなのです
大好きだからこそ、
吉村さんは、
映画の細部まで繊細に汲み取るように堪能できるのですね
(いやはや、勉強になりますっ
)
そういった著者の心情や状況が、
読み進める度に私を幸せにしてくれるのです
こういった映画批評本
だからこそ、
私も、
新たな山田監督の作品の魅力に気づかされるのですね。
優しさと鋭さを同時に持った批評には、
意外と出会えないものです。
本当に珍しい本かと思いますね。
特に、
山田監督の時代劇制作は、
黒澤監督の死後、随分経ってから始められました。
もっともっと前から企画の話はあったでしょうが、
何故か・・・・この分野へは挑戦されることはなかったのです。
それもこれも、
山田監督も黒澤さんへの思いがあったのではないでしょうか。
お二人が親しい間であった話は有名ですから、
尚のこと、誰も、
この分野へは踏み込めないものがあっただろうと察せられますよね。
そういったデリケートな分野へ、
著者吉村さんは、
実に紳士的に、知的に、人情味溢れる態度で斬り込んでいます
このあたかも他人の庭へ笑顔で訪ねるような姿勢が、
微笑ましいと言ったらないのです
私の大好きな『たそがれ清兵衛』についても、
新しい発見を多く頂きました
(この収穫は、私にとっては大きなものでした
)
あの映画の驚くべきリアリズム。
その困難への挑戦も、
黒澤監督が残したものへの敵討ちの感情があったように思えてなりませんね。
かつて日本映画が踏み込んだことがないレベルでの、
下級武士への考証が冴え渡ってる本作。
鑑賞する度に思いますが、
この映画はむしろ、
幕末の武士階級の者たちが観てこそ意味があるくらいです。
彼らの心にも響くくらいのリアリズムがあるでしょうね
その作品の根底にある、
「時代や身分の不運」までもを山田監督が描いていることに、
きっと賞賛を送るだろうと思うのです。
演出から原作まで。
さらには他の名作映画との比較。
制作の裏側から、山田監督本人の言葉まで、
重厚な一冊となっていました
ありがたや~、
ありがたや~、
でした
オーディオキネマ代表
ワークショップ担当
山中(脚本・演出)
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