そうだったのかっ・・・!? | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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1月から始まった、

NHKスペシャル
『激動の世界』

これまで3回が放送されたドキュメンタリーです。

とても力強い内容でしたね




第一回は、

EUの崩壊に直面しているヨーロッパの現状。

そして、それに追い打ちをかけるシリア難民の問題・・・

を扱っていました。



第二回は、

その不穏な西欧の現状を逃さな大国ロシアの狙いを描いています。

プーチン政権の野望ですね。

弱まる米国の後ろから、

東へ勢力を伸ばすロシア。

ヨーロッパ諸国の自立を促す姿も観ることが出来ました。

世界の米国離れの始まりを予見しています。



第三回は、

これまでの世界秩序であった米国の今の姿を追いかけています。

テロとの闘いに疲弊する米国。

中東からの撤退。そこに生まれた力の空白。

オバマ大統領の、

「米国は世界の警察ではない

という発言映像が何度も使われていましたね。

これを消極的と取るのかどうかは難しいですが、

米国はとても大きな困難に直面しています。

世界的な視野での行動に対しての変化ですね。




このドキュメントシリーズを観ていて、

強く感じるのは、

欧米諸国での右翼化です。

強烈なナショナリズムは、

ドイツでは国民を二分化する対立ともなり、

大きな問題として映っていました。

まさに、

世界は激動の時を迎えています。



ロシア、中国、米国という三大大国が、

これからどのよな動きを見せるのか・・・・。

我々のように、

そういった大国の横にくっついている国々は、

そういった決断をするべきか・・・・。

とても考えさせられるものでした。




こんな番組を観ていて、

私がふと思ったのは、

映画『もののけ姫』でした。

なぜそんねアニメーション映画が浮かんだのか・・・・

それは、

今の世界中にはびこる人間の怒りや憎悪が、

あの映画で描かれている世界に似ていると思ったからです。

『もののけ姫』では、

アシタカも、サンも、タタラバの人々も、

それぞれの怒りを抱えています。

主人公アシタカは、

その怒りとどう向き合ったか・・・・。

彼に取り付いた呪いの傷は、エボシへの憎悪を露わにしますが、

アシタカはそれが爆発するのを抑えこむのです。

自分自身の怒りとともに。



宮崎監督が、

ニューヨークでの映画祭で発言していますが、

その後のアシタカは、

サンのため、タタラバの人々の幸せのために、

大変な尽力をするだろうというのです。

そのために自分が大きく傷つくことになるが、

アシタカはそれを止めはしないというのです。




これが、

宮崎監督の考える、

怒りや憎悪への向き合い方ではないでしょうか。

人々が憎しみに包まれた世界では、

それをもとに戻すためには、

誰かの時間を命が必要で、

それが癒やしとなるのかもしれません。




今の地球でも、

『もののけ姫』となじようなことが起こっているように感じます。

誰がアシタカになれるのか・・・

国か・・・。

人間か・・・。

世界中の人間みんなか・・・。

世界のトップに立つ政治家達が、

平和な風景の中で、

畑でも耕しながら2ヶ月でも過ごし、

ゆっくりと共に生活し、

話し合いを重ねれば、

世界は、幾分良い方向に向かうような気もしますが・・・・

今、我々が直面してる世界の激動の行く末には、

恐怖と不安を感じずにはいられませんね。




宮崎さんは、

こんなことも言っています。

(これは、以前のブログにも書きましたが。)

「若い者は、

世界を変えるつもりで映画を作らなければならない。

しかし、世の中なんて、ちっとも変わるもんじゃない。

それでも、

作家とは、世界を変える気概で物語れ」

と言っています。

時代性を含んでこそ、

物語は命が宿りますからね。



NHKスペシャル・・・・。

本当に素晴らしい内容を放送しますよね

大きく世の中を見る目を作り、

それらを詳細に理解していく脳ミソを育ててくれます。

ありがたいですね~。




オーディオキネマ(脚本・演出)
山中勇人

1ヶ月間ワークショップ
2016年2月
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