一本締めに見る日本人の演技 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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コトあるごとに、

私たちって、

輪になって一本締めをしますよね。

あの、

「よおぉぉ~~~、ポンッ」

というやつです。

(本当は一丁締めと言うそうですね。)




私は、

この一本締めにこそ、

日本語演技の極意が含まれていると思っています

つまりは、

日本人の「間」を知ることが出来るのです




日本で生まれ育った者ならば、

誰でも、

一斉に「よおぉぉ~~~」と掛け声を合わせると、

絶妙な間合い(タイミング)で、

「ポンッ」

と手を打つことが出来るものです。

そして、

大抵の場合は、その直後に、

「気持ちいぃ~~~

と心でつぶやくはずです




つまりは、

この日本語を象徴する「間」に、

心地よさを感じているんですよね。

これが、

日本人の演技なのです

日本語のセリフには、

全ての行、全ての単語、全ての句読点に、

この心地良い間が存在するべきなのです。




この無音とも言い換えることができる、

『間』

というものを操ってこそ、

日本人役者といえるのです



ここにこだわらずに、研究をせずに、

役者になってはならないのでは・・・・とさえ、

私は思っています

私の使命は、

ここを楽しんでいる役者に出会い、信頼され、共に仕事をすることだと信じています。

私の演技を追求する理由も、

ここの真髄を知りたいという欲求を抑えられないからです。

ですから、

日本人らしい台詞を書き、

日本人らしい日本語を操る役者さんと時間を過ごさなくてはならないのです。



シンプルなはずが・・・・、

難解である・・・・、

日本語の間



いつまでも私は翻弄されるのでしょうが、

本物を求めて、

いつまでも追いかけて行きたいと思います。

この記事を御覧頂いた役者、声優の方がいらしたら、

いつか、

こういったお話を主にしましょうよね

日本映画の話なんかも、

こういった角度からしてみたら面白いですよね。

きっと




オーディオキネマ
代表 山中
(脚本・演出)