『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 172』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「見抜け!!」



さて、

お盆休みの真最中ですが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか



関東は、

日中の暑さも若干和らぎ、

少しは過ごしやすくなったようです

特に夜はいいですね。

涼しい風が通りすぎて、

朝までゆっくり休ませて頂いております




本日は、

少し自由時間が出来ましたので、

映画『無宿者』(1964年)

を鑑賞しました

大好きな市川雷蔵主演の作品です

監督は、三隅研次さんです。

大映映画で沢山の娯楽時代劇を作られた方ですね。

(勝新太郎さんともいいコンビです




映画はとても素晴らしい出来で、

演出よし、

役者よし、

演技よし、

シナリオよし、

の文句なしに楽しめる作品でした

骨太な映画でしたね。




私は基本的に『座頭市』以外の渡世人映画は好まないのですが、

この作品は、お気に入りになりましたね

まだまだありますね、イイ映画は

(あと、車寅次郎さんも渡世人ですが、大好きです




また、

セットも素晴らしかったんです

特に大掛かりな大建造物があるわけでは無いのですが、

漁師町の再現が素晴らしい出来でしたね

家の軒先がかぼちゃ畑になっていて、

そこに沢山の立派な実がついていたりするんです。

きっと、

何ヶ月も前から仕込んでいたのではないでしょうか。

その他、

植えられた花、雑草など。

美術さんの手によるものだと思われる趣向が散りばめられていました

こういうことろが昔の日本映画のいいところでもあるんですね

しかし、

実際は、どれほどの苦労があったことか・・・・

兎に角、

そんな細部にまで徹底された、

贅沢な作品でしたね




この映画を観て、

フッと思ったのですが、

こういう映画の良さは、

プロを目指すドラマ訓練生は、

私も含めて、もっとよく鑑賞するべきだと痛感しましたね。

幾つもの良いシーン、良い演技があるのですが、

そのどれもが、

演出的に実にさり気ないんですね。




今の映画は、

そういう〈いいシーン〉には、

常にコッテリしたBGMが付けられています

カット割りや編集も、

観客にタップリと堪能させようと、

とても大げさなものになっています

つまりは、

誰にでも、

ここが見せ場なんだぞ!と判るように作られているんですね。




でも、

今日観た『無宿者』などは、

そんなシーンにBGMも無ければ、

これみよがしなカメラアングルもカット割りもありません。

すべてがさり気なく、

演技の邪魔にならないように、

作りこまれているだけです




昔の観客ならば、

それが当たり前の日本映画なので、

何も気にすることは無いのですが、

今の若者にとっては、

多少、注意深く見る必要があるかもしれませんね。

ストーリー展開やセリフ、演技に注目していないと、

「いいなぁ~」と思える場面は、

けっこうあっさりと過ぎ去ってしまいます




私も、

自分の担当しているワークショップなどで、

古い映画を見ることを勧めていますが、

イマイチその習慣が続かない方は、

こんな所に上手く馴染めていないのかもしれませんね。




多少、

映画を見ながら、

「見抜く」という姿勢が必要かもしれませんね。

いい演技をみのがさねぇぞ!

という心構えが大切ですね。

昔は、そうやってヤンヤヤンヤ言って、映画を鑑賞したんですからね




ここが自然に楽しめるようになれば、

声優という職業を目指す上で、

とても重要な演技技術が、

手に入ると思うのですが・・・・・




美しい日本語のセリフ、

日本語のセリフ回しに、

大げさな演出は不必要ですからね




是非、

この時代の映画もご賞味あれ



(あれだけSF映画を観たあとなので、実にたのしかったなぁ~)

 

 

 

 

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