『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 170』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「全話制覇」




昨日の早朝から観始めた、

映画『スター・トレック』シリーズですが、

先ほど全話を鑑賞終了しました




およそ、一日半で、

全12話を観たことになりますね

合間に仕事があったとはいえ、

若い頃より、

ちょっと遅い気がします

やはり年齢のせいですかね・・・。




この試みは、

少ない休日を利用しての、

アメリカSF映画史を一気に勉強するためのものでした

時代と共に、

映画のテーマというものが、

どのように変化してくのか

作風というのがどのように変わりゆくのか

それを確認したかったのです




何故かと言うと、

今の日本の時代劇と、

このアメリカのSF映画のジャンルは、

似たような経緯をたどっていると感じたからです




そもそも、

私にとっては、

過去の時代背景も、

未来の異世界の世界背景も、

それほど違いは無いと思っています。

どちらも、

今の我々には、

全く判らない世界ですからね。




そして、

双方に何が起こっているのかというと、

近年の映画には、

「心に訴えてくるモノが何もない」

ということです




昨日から連続鑑賞してきた『スター・トレック』シリーズも、

過去の作品には、

明確なテーマがあり、

キャラクター達の個性が光っていて、

奇想天外なストーリーがあり、

なにより温かいユーモアがありました




しかし、

第9作(1998年)~最新作(2013年)くらいになると、

上記の魅力は薄れ始め、

鑑賞後には何の味わいも残っていない映画になっています

特に最新作に至っては、

ありがちな感傷的シーンの連続と、

とても安易なストーリー構成に、

観ていることが苦痛なくらいでしたね

その合間にやってくるCG映像のアクションシーンに、

なんの感傷も沸き起こらず、

ただただ時間稼ぎのように思えてしまいました

(エイブラムス監督としては、かなり酷い出来でしたね





そして、これは、

そっくりそのまま、

今の日本の時代劇作品に言えるこだと思います。

日本の時代劇も、

過去の作品を見ると、

あれほど沢山の魅力が詰まっているのに、

今では、酷い有様となっています




アメリカの『スター・トレック』より、

日本の方がより悲しくなる事実としては、

向こうの俳優は、

過去のSF作品をリスペクトして研究しているのに対し、

日本の俳優は、

過去の時代劇名優を侮辱するような、

お粗末極まりない時代劇の知識でカメラの前に立っていることです

私がご年配の方と、

今TV放送されている時代劇について感想を伺うと、

皆さん、怒りを込めて批判しますからね。

それでも、

数少ない時代劇に、

我慢に我慢を重ねてチャンネルを合わせているといった状況です

本当に、

何とかならないもんでしょうかね・・・




これを打破するアイデアが、

伝説の『スター・トレック』に無いかと思ったのですが、

やはりエンタメ大国でもダメだったようですね

あれだけの才能を持った監督、プロフェッサーが集結しているアメリカでも、

何故か、映画の質は下がってしまうんですね・・・




最後の手として残っているのは、

我々若い世代が立ち上がることです。

我々が、

新しい息吹を吹き込まなくては、

本当に日本の時代劇は死んでしまいます。




唯一の希望は、

とてつもない才能の出現でしょうね

アメリカでクリストファー・ノーラン監督が、

SFのジャンルに新しい波を起こしたような、

全く予想外のストーリーテラーが、

日本にも必要なんだと思います




とてもパワフルで、繊細なストーリー。

見る者の心を抉るようなキャラクターの葛藤。

そんな作品の奥には、

誰もが気づいていながら、直視しない普遍的テーマ。

そんなモノをしっかりと掴んでいる映画作家が、

誕生しなければいけません




とても難しい問題ですね




あっという間の、

連続12作品でしたが、

多くのことを学べた気がしますね




でも、

最後の映画はあまりにヒドイので、

もう一本お口直しに鑑賞してから、

ベットへ入りたいと思います



さて、

何を観ようかしら。




【ライター山中のtwitter】

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