『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 151』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「この目で観たい江戸」


江戸の物語を書く上で、

いくつかの資料を読みましたが、

町の風景となると、

あまり多くの資料は残っていないんですね



幕末の頃には、

外国のフォトグラファーも来日していますし、

日本人の中には、その技術を獲得し、

写真館をオープンした方もいます。

しかし、

写真資料となると、かなり劣化もあり、

当時の雰囲気をつかむのがやっと、ということころでしょう

(贅沢を言っても仕方がないのですが・・・




問題なのは、〈色〉なんです

私としては、町の色を知りたいんですね

これはオーディオドラマ作品とは関係ないところかも知れませんが、

ライターとしては、イメージが全てなので、

ここを想像だけでしのぐのは、

今一つ、痒いところへ手が届かない気持ちになります。

どうしても、

「観られたらなぁ~」

とボンヤリつぶやいてしまいますね




資料の中には、明治の方が、

モノクロ写真に色付けをした、

古写真というものも残っていますが、

それ自体素晴らしいのですが、

どこかくすんだ、紗のかかったような風合いが、

私のイメージと違うんですね

当時の江戸は、

贅沢が禁止されていたといっても、

「色とりどりに美しかったはずだ

という私の期待を裏切ってしまいます。




やはり、

日本画や浮世絵の色合いと、古写真の風景を、

頭の中でミックスしないといけないのかな~

と思っていたら



そうです。



あったんです




なんとも素晴らしい、

日本人なのにカルチャーショックを受けてしまう、

江戸に関する逸品があったんです

最近、ネットで大きな話題になっている、

米国人画家による江戸の風景なんです

↓ ↓ ↓

 

 



なんともリアルな作品

江戸の色があります。

江戸の活気があります。

やはりヨーロッパで開発された油絵という画材は、

とんでもないですね。

今でも、

書かれた当時の色、光が、キャンパスに残っていますね

そして、写実的な筆致は、まるでカラー写真のようではありませんか




この絵と昨年に出会っていたら、

私の『研ぎ師伊之助深川噺』第一話は、

もう少し違った作品になっていたでしょうね

間違いなく、町人の生活を描くシーンは増えたはずです。



ちなみに、この画家のお名前は、

ロバート・フレデリック・ブラムさん。
(Robert Frederick Blum) 

1876年のフィラデルフィア万博で日本文化と出会い、

その衝撃から日本への情熱が生まれ、

ついに来日を果たし、その目で観た江戸の風景を絵に描いたそうです。

「ありがとう、ロバート

本当にそう言いたいですね。

私のシナリオの1855年とは、

かなりの開きがありそうですが、

これほど参考になる資料はないですね




他の作品も掲載しておきますね。

 

 

 

 

 

 



風景の切り抜き方も、

なんともいえない風情がありますね。

この男性、

日本人の心に根ざす〈風情〉を理解したのでしょうか

素晴らしい作品です



これをネットで発見した時は、

とても幸せな気持ちになりましたね~。

久しぶりに〈満足〉という感覚に包まれました




ああぁぁ、

それでもやっぱり、

私も、

江戸の町を観たいなぁ~




「ドラえも~~~ん」




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