東京のど☆下町
柴又 帝釈天を横切り開かずの踏切を越えると俺の職場がある
俺は今までこんなに…
大切にされた事が有っただろうか?
そんな環境で働きだし1ヶ月
俺に任された大役
職業体験(学校の授業)でやってくる中学生の世話役である
社長『T君! 1番中学生の心がわかるっしょ?』
俺『ワタクシ以上に適任の者、ございません』
1週間と云う短い期間では有るが
早速後輩ができるのは、とても嬉しいヾ(@°▽°@)ノ
DAY 1
彼の名はキョウシロウ
良い名前である!
俺の心の師 忌野 清志郎氏と同じ名前なので
キョウシロウさんと呼ぶことにする

しっかし… このキョウシロウさんは
おとなしい
DAY 2
大人だらけで落ち着かない様子のキョウシロウさんと
色々な話しをする
キョウシロウさんのお母さんは
俺と同い年!!!( ̄□ ̄;)
そんな歳になったのかと
シミジミ感じ何故か負い目を感じる
DAY 3
昼休み落ち着ける場所が無く
退屈そうにしてるキョウシロウさんを工場に誘う
機械の説明をして実際に動かしてやると…
弾けんばかりの興奮を体全体で伝えてくれる
中でも瞳の輝きはハンパ無い!
キョウシロウ『モノ作るの。大好き♡』
ボソッとつぶやいた一言を俺は聞き逃さなかった
社長に工場作業をさせてやる様に頼む
DAY 4
俺『キョウシロウさん 女は?』
キョウシロウ『居ませんっ! 女なんていらない!』
俺『笑』
打ち解けた感が嬉しい
明日、最終日は最高の思い出をプレゼントしたい!
DAY 5
溶接で何か作ってみたい!
キョウシロウさんのリクエストにより
実際にイスを作ることにした
設計図を作り、鉄を切る、曲げる、溶接する
俺『溶接はなこうやるんだ! よく見とけよ!』
ジジッ!! ジィーーーーッッッ!!!!
キョウシロウ『こう?』
バヂッ! バヂバヂバヂバヂィッッッッ!!!!!
溶接の良し悪しは音でわかる
俺『そうじゃねぇんだよ だけどな筋は良いぜ!』
褒めると笑顔がとてもキュート!(●´ω`●)ゞ

残業までして妹の分と2脚できたイスを持ち
超♪嬉しそうな表情で深々と頭を下げたキョウシロウさんを見た時
なんだか泣けた。゚(T^T)゚。
俺『壊れたらよぉ 直しに来いよな』
キョウシロウ『Tさん泣かないでよ また遊びに来てあげるから』
中川に浮ぶ夕日に向かって歩き出したキョウシロウは
一回り大きくなった様に見えた
いつかまた!
お互いに職人として一緒に仕事がしたいと
黄昏時の東京☆ど下町の葛飾で心から思った
ちなみに中学生の頃の俺は…


