今年の4月に多くのウイスキーが値上げになった。私は先行投資で何本か高いウイスキーを値上げ前に購入したが、今回紹介するのはそのうちの一本である。


ボウモア15年。親の顔より見たボウモア12年の上位ラインだ。バーや友人宅で飲むたびに感動していたが、ボトルを買うのは初めてである。


12年と比べるとより熟成感があり、かつシェリーカスク由来の豊かな果実の風味が特徴のお酒だ。



合わせるつまみは糖質制限のためにコストコで買ったロカボナッツとカマンベールチーズ。本当はこの手のシェリーがかったアイラモルトはピータン豆腐が一番合うのだが、今回はストックがないので、無難に合わせていく。


まずはストレート。かなり強いシェリー香とアイラモルトの磯、ピートがちょうど1/3ずつ混ざるような香りで。この時点で美味い酒だとわかる。


飲んでみるともはやストロベリーと言っても良いベリー感前回の味わいから、じわじわ拡がるピート。このベリーからピートに変わる過程の味わいもとても上品で、この過程で木感から熟成感を感じることができる。


続いてトワイスアップ。香りはアイラっぽさが消えて、ほんのり優しいベリー、ケーキやプルーンを感じるのがアイラモルトを水で割った名残りかもしれない。


飲んでみるとトワイスアップありがちだが、木感が出てきてストレートよりは個性が薄れる。一方でベリー感とシェリー感が両方後から来て、水割りになることでちょっと優しいテイストになるのが良い。


最後は1:3でハイボール。水割りより薄いわけだが、なぜかべっこう飴のような甘じょっぱい香りに変わったのが印象的だった。飲んでみると、美味しいがアイラなのか他地域のシェリーカスクなのかよくわからない、普通に良いハイボールになった。このお酒でハイボールを作るのはやや勿体無いかもしれない。


つまみとの相性だが、ナッツは普通にウイスキーとの相性が良いため、これとも無難に合う。

特筆したいのがチーズで、かなりシェリー感が効いたお酒であるので、ウイスキー×チーズ、及び赤ワイン×チーズの両方が楽しめる好マリアージュだ。


最後に、今回は食べていないが、シェリーカスクのアイラには圧倒的にピータン豆腐が最高だ。ピータンの灰のような癖はアイラの特徴のピート感や磯感とマリアージュし、シェリーカスクの旨味はピータンの卵黄の旨味とマリアージュする。豆腐があった方が良いのは豆腐、特に絹豆腐のまろやかさが全体のボディを作るからだ。


良かったら是非是非試していただければと思います。