皆さま、こんにちは〜
そしてお久しぶりです
年末年始忙しく、スタッフの入れ替わり、ワンコの出産、確定申告…
睡眠不足でヘトヘトだぁ…魂抜けてやる気が戻って来ない…
はぁ〜
（歳だなぁ…w）
最近やっとやっと少し落ち着いた感じなので、子犬紹介や引退犬の紹介などなど、頑張っていくぜ〜〜
と、その前に！
今日は、我が家の扶養家族、モーゼのお話です。
カヌーやオフ会にも連れて行くので、ブログには時々登場していた子なんですが、モーゼをちゃんとご紹介するのはこれが初めてです。
名前はモーゼ。
2021年12月14日生まれの男の子でママはうたげ、パパはネイ。
現在1歳ともうすぐ4ヶ月。
タイトルにもありますが、口蓋裂です。
入り口から喉の奥まで真ん中パッカ〜ンの立派な口蓋裂で、まるでモーゼの十戒だなぁ〜って事で名前はモーゼ(笑)
口蓋裂は先天性の形態異常で、人間にもある障害なので知ってる方もいると思います。上顎の軟骨が塞がらずに穴が開いた状態で生まれてきます。口と鼻が繋がっている状態って事です。
ミルクを吸っても鼻から出てしまうので、口蓋裂に気が付かずにそのまま亡くなる事も多いです。
人工保育をしても誤嚥性肺炎や呼吸困難で亡くなる確率が高く、育たないと聞きます。
実はこれを書くのって、ブリーダーとしてはあまり良くない事なのかもしれない…
（一応書いておこう…口蓋裂の赤ちゃんが産まれたのは初めてですので〜！）
帝王切開での出産。あれ？すごく小さい子だなぁ…何かいつもと違うぞ？何かザワザワするって思ってお口を開けると…「これ、口蓋裂？」聞いた事はあるけど実際に見るのは初めてで、こりゃ育たない…。でも息してるし元気だし…どうしよう？そのまま自然に任せるか？？と、迷いました。
犬舎に戻ってすぐにググってみた。でも育て方がほとんど出て来ないやっぱり育たないから記事も無いのかな？と思った時、やっと見つけたのがキャバリアのブリーダーさんのブログ記事でした。（今はもう消えてるの）
その記事を見て「なんだ！口蓋裂は手術をすれば治るんだ
」と、単純に考えたワタクシ(笑)
治るんだったら育てようカテーテルの勉強にもなるし！と、ものすごく簡単に口蓋裂の赤ちゃんを育てることに決めました
どのくらい大変なのか、途中で死んでしまう確率が高いなどの知識が全く無かったから出来た事だと今は思います(笑)無知って怖いな〜。
でも、あの時にキャバリアちゃんのブログを見ていなかったら、モーゼは居なかったかもしれない。
だからこの記事も、どこかの誰かの勇気につながれば…と思って書こうと思いました。
本当はモーゼの1歳のお誕生日に、こんなに苦労して大変だったんだよ〜！って書こうと思っていたんだけど、もう何とか元気に育ったし、大変だった事とかすっかり忘れちゃったので、そういうのは書きません
私が獣医さんからもらったアドバイスと実際に試行錯誤して感じたポイントのような事だけ書きたいと思います
（ちなみに、モーゼの口蓋裂は立派な物なので、穴が小さい場合は全然違って来ると思います）
1.ミルクはカテーテルであげることが出来ます。（赤ちゃんは嫌がらないから案外簡単）
2.あまりお腹いっぱいあげると後で戻して誤嚥の危険が増すので、可哀想だけど腹6分目くらいが良いと思う。
ミルクを飲ませたら舌の色を確認してチアノーゼが起きていないかチェック！チアノーゼを起こしたら慌てず頭を下にして振る。
3.離乳は普通より遅めで、なるべく長くカテーテルのミルクで行った方が安全。
4.離乳食は太いカテーテルであげることが出来ます。（喉の奥に届く長さで短くカット、断面は火で炙って丸くする。）
ミルクから離乳食に変わる時はチアノーゼを起こしやすいので注意。
5.カテーテルを嫌がるようになったら、いよいよ直接フード。
顔を上に向かせて固いままのフードを飲み込ませる。（私は少し水で濡らして一粒ずつ手であげました）
普通はふやかす所だけど、ふやかすとモグモグして鼻腔に全部IN
何度もチアノーゼを起こすので１粒ずつスルッと滑らせて飲み込ませる作戦にしました。それでも数粒は鼻腔に入ります…。もし入った時の為にフードはふやけやすい物を選ぶ。
6.お水も上を向かせて、シリンジで飲ませる。（とにかく下を向くと鼻から出て何も飲めません）
7.体が成長すると、固いフードが入ると痛がって食べなくなります。そしたらふやかしてあげます。
この頃には鼻腔が塞がっても自分でくしゃみをして鼻から出せるようになり、チアノーゼの危険は多少下がります。
小さい頃はくしゃみをして上手く出せないから、チアノーゼを起こしたらとにかく体を振る！振って詰まっている物を動かすしかないです。（出産時に羊水を出す為に振るのと同じように）
8.3ヶ月くらいになったら1回目の手術が出来ます。成長するとまた穴が広がるので手術は2回か3回必要です。
9.口蓋裂の手術経験が豊富な獣医さんは少ないです。遠くても経験のある獣医さんを探しましょう。
10.もしも途中で亡くなっても、貴方のせいじゃないよ。口蓋裂の赤ちゃんが無事に育つのは運みたいなもの。
獣医さんに言われた言葉…「3ヶ月になったら手術できるよ。それまで生きていたらね。」これが現実って事ですね
口蓋裂の穴の大きさによってもやり方は全く違うので、私がチアノーゼと戦いながら試行錯誤した経験がほんのほんの少〜しでも参考になれば嬉しいです。
もし聞きたいことがあればメッセージでもホームページの問い合わせでも良いのでご連絡ください。
何かアドバイスできる事があればします。
さて！！そんなモーゼの2回目の手術が決定
明日5日に手術します
生後5ヶ月くらいの時に1回目の手術をして、かなり穴は塞がりました
でもやっぱり塞がりきれなかった穴がまだ２か所あって、お水も普通に飲めないし、たまに水やフードが鼻腔に入って飛び跳ねてビックリしている姿は見ていて切ないです
おやつは食べられないし、フードも未だふやかしているし、普通の生活を送らせてあげたい
という事で、明日の2回目の手術で残りの穴が塞がることを願います
（今日4日は私の誕生日なのでモーゼの手術が誕生日プレゼント）
と、長々と書きましたが、結局のところは「可愛いうちの扶養家族を見てよ
」と写真を貼りたいだけなんです〜
では、モーゼの成長のお写真をど〜ぞ
ママと兄妹たち。ここにはモーゼはいません。
産まれてすぐにママと離れて人工保育です。
こんなに小さかったモーゼ。でもお口の中はド派手にパッカーンなんだぜ
目が開いた〜
カテーテルで数時間ごとにミルクをあげていました。それ自体は大変じゃ無かったけど、私がミルクをあげることで誤嚥して死ぬかもという恐怖は毎回大変だったミルクあげてしばらくすると舌ベラ真っ白くなってチアノーゼ起こすから、ブンブン振って出す戻れ〜！って願いながらとにかく振ってた
そのうち、ミルクは少しじゃないと戻して危険って事を学んだ。
普通の赤ちゃんだったらお腹パツンパツンまで飲むけど、ド派手口蓋裂の場合は可哀想だけど生きるために少なくね
カテーテル入れるのはもう得意になったよ
これは今、子猫を育てるのにとても役立ってる
可愛かったな〜モーゼ
でもこの頃から「あれ？これ耳大丈夫か？浮く？まさか立たないよね？」と不安に…w
生後1ヶ月ちょいどら焼き3つ分くらいまで成長(笑)
兄弟との体格差がすごいw
地味に鼻からミルク出してる(笑)
兄妹は離乳食を食べ始めてるけど、モーゼはまだまだミルクでした。
生後2ヶ月。体格差は広がる一方。
キャワたん
鼻からミルクはもう慣れっこさ！
小さなぬいぐるみが大きく見える
カゴの大きさで少しずつ成長が感じられる〜
ぬいぐるみとの差でも
耳よ…立つのか？
2ヶ月過ぎて離乳食をカテーテルであげ始めた。すると、鼻から出てくる量が増えた
初めてのドッグラン
鼻ちょうちん(笑)
離乳食をあげる太めのカテーテルを嫌がるようになったのでフードを直接あげる作戦に切り替えた。
ふやけない程度に水に浸して喉の通りをよくしてあげていました。
顔を上に向かせて一粒ずつ飲み込ませる
水分はシリンジで。これも顔は上を向かせる。
お水飲むと鼻からブッシュン
お鼻はいつもプシュプシュ
生後2ヶ月半…。
最大の危機が訪れました
1日中呼吸困難な日があって、気がつくとチアノーゼを起こしていて、放っておくと呼吸が浅くなって倒れてしまったりそのまま息をしていなかったりで危険なので、常に体を揺すって無理やり呼吸させてた
本人は眠たいのに寝たらそのまま死んじゃうから寝かせてあげられず、原因も分からなくて凄く怖かった
いつもハッキリと物事言ってくれる獣医さんに相談したら、詰まってるものが取れなければ死ぬから、死んでもいいくらい振るしかないよって言われて半泣きで振った。
それでも治らず、もうダメかと思った時にもう一度口蓋裂をじっくり見てみたら、鼻の奥の方にピッタリハマってるふやけたフードを発見
半ば強引に鉗子で取って紫だった舌がピンクに戻ってくれた
その後もチアノーゼは繰り返したけど、やわらか歯間ブラシで詰まったフードを取るようにして何とかこの時期を乗り越えました。
やっぱりミルクから離乳食、カテーテルからの切り替え、体の成長と共にフードが入りやすくなる2ヶ月〜3ヶ月の時期はとっても危険常に呼吸困難には注意しないと
ここまで育ったからもう大丈夫！っていう事はないんだなぁと改めて気を引き締めた1日でした
ピュアさんもドッグショーで居なくて1人だったから余計に焦った〜
自分が楽な体制を身に付けていってる
あくびをした時に撮ったド派手口蓋裂。見事でしょ？フードも入ってるしw
この頃から固いフードが鼻腔に入るのを嫌がるようになってふやかしたフードに変更。
大きさや硬さ、あげ方も色々試行錯誤するしか無かった
ご飯を食べ終わると必ずクシャミしまくる姿が苦しそうで可哀想だった
フードが鼻腔に詰まって呼吸困難になるので口呼吸。
上を向いて息しやすいように…
生後3ヶ月の危機を乗り越え、順調に鼻水ぶちまけながら生後4ヶ月を迎えたモーゼ
4ヶ月になったら宇宙人になっちゃった(笑)
この頃はまだまだチビだったね
ド派手口蓋裂にはド派手なお友達が似合うのだ
お耳の矯正卑弥呼様〜
鼻水は相変わらずブシュ〜！
そろそろ手術をしたいな〜詰まってるし…。
初めてのお洋服はのんき屋さん
初めてのちゃんとしたお散歩
しっかりと横について歩くように教えていますよ〜
でも動くとこうなる
プシュプシュ連発
歯も生え変わって来て、ようやく気がついた事…。
「アンタ…アンダーじゃんw」
口蓋裂が立派なら、アンダーショットの口元も立派でした(笑)
そしていよいよ！
生後5ヶ月半。1回目の手術から帰って来たモーゼ。
口元や鼻の中から血が滲んでいて痛々しいよ〜
お顔もげっそり
数週間後そろそろ大丈夫かな？って上を向いた時に何とか写真を撮りました。
ほほうもう真ん中パッカーンじゃなくなってる〜
「いやっほ〜〜い」
これがこうなる
スーパードクター最高です
矯正の甲斐なく片耳は立ちましたが、鼻水は出なくなったしお水も普通に飲めるようになりました〜
と思ったけど、体の成長は止まっていないのでしばらくしたら穴が広がったみたい。初めて食べたワンコケーキを鼻から出す(笑)
手前真ん中に小さい穴。右の歯茎に沿った側面に長い穴。
残るはこの2つの穴だな
でも明らかに生活はしやすくなっていて、本人も前より楽そうです
手術して本当に良かったスーパードクターのおかげです
穴が広がって、水の飲み方もこのスタイルに戻りました
口蓋裂でも、片耳立っても、お口がアンダーショットでも、愛想は抜群でみんなから可愛がってもらえる君は本当に幸せ者だね
生きてて本当に良かった生かせて本当に良かった
あともう一度、2回目の手術で奇跡を起こそう
スーパードクターを信じて
ではでは皆さま、まったね〜！
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