

当時はなぜか、大阪から名古屋空港(小牧)へ一族郎党がバスで移動。
小牧からマニラ空港へ…。
マニラ空港って外に出ると、金網が張ってあって、そこに現地人の物売りや何かが張り付いているので、いたいけな少年は初めての海外に戸惑うばかりでした。
(映画「愛と青春の旅立ち」で主人公の子供時代のフラッシュバックが流れますが、丁度あんな感じ)
(わかりにくっ!)
観光で連れて行かれた、昔の牢屋を説明する時に現地ガイドが「日本の兵隊が捕虜を水で溺れさせました。」と言うので、いたいけな少年に言われてもなぁ…と思いながら、殊勝な顔つきをしておきました。
(当時から性格は悪かったようです)
その後、バリ島に渡って2・3日過ごすのですが、蚊は多いは、食事に蝿はたかるは、都会育ちの繊細な少年には耐えられませんでした…。
この時の往復便がフィリピン航空で、少年の特権として、コクピットを覗かせて貰ったりしました。
……が、帰りのマニラ乗り継ぎの為、着陸態勢に入る時その悲劇は起きたのでした。
雲が多かったので視界も良くなかったのでしょう、パイロットもへたくそだったのかもしれません。
飛行機は旋回に入るため、機体をバンクさせます。
通常はそのままバンクで旋回ですが、この時はさらにその態勢から降下をしました。
そう、飛行機の映像でよく見るあれです。
実際乗ってると、胃の中のものが置き去りにされて、早い話が上がってきます。
いたいけと言えどもそこは日本男子!公衆の面前でゲロを吐く訳にはいけません。食道に力を入れてなんとか踏ん張りました~!!
……人生とは理不尽な物で、なんとか収まったと安心した途端、パイロットは更にバンクして降下を始めたのでした。
人間一度安心してしまうと、次の行動に出るのが遅れますね。
実に、絶妙のタイミングで奴は降下を始めたので、胃の中のものはその場に置いてきぼり…身体は下に…ついには口から………。
哀しいことを思い出しました。
そんな、フィリピン航空機なのでした。