会社からお店に到着するまでの5分弱の時間で、問題が1つ解決した。
なんか、スゴイよね!だって、たった5分弱の時間でも問題が
解決しちゃうんだよ!何か問題が起こったり、悩んじゃうような
ことが起こっても解決を先送りにすることってあるよね?
それはきっと、解決するまでに時間が掛かると思うから、今は他に
やることがあるし、とかって、解決を先送りにしちゃうんだよね(苦笑)
でも、本気で向き合ったら、いつもではないかもしれないけど、
たったの5分で解決することもあるんだって思ったら、なんか、
ちょっと衝撃だった(汗)思わず、『何か問題っていうか、
引きずってることっていうか、何かクリアにした方が良いことって
なかったっけ?』って考えちゃったもん。
だって、たった5分で解決するかもしれないのに、いつまでも
心の中に置き続けるのは不毛っていうか、無駄だと思わない?
そういうものが積もり積もって、ここぞという時に自分の足を引っ張り
かねないワケだし、取り除くのは早い方が良いに決まってるでしょ?
な〜んてことを考えてたら、あっという間にお店に到着した。
早速、中川理沙子がお店に入って、席の確認をしに行ったの。ほんの一瞬、
お店の中に消えただけで、すぐに満面の笑みを浮かべて出て来た。
「8人、入れるそうです!」
思わず、みんな、「やった〜!」って叫んでた。もちろん私も(笑)
その様子を見て、真田部長と弦ちゃんは、穏やかに微笑んでたけど、
レオンくんは、ちょっと呆れてるっぽかった(苦笑)一応、さっき
話をして、レオンくんとも打ち解けはしたけど、たぶん、レオンくんの
中では、まだ何かがくすぶってるのかもしれないね。
早速、お店に入ったんだけど、8人っていう、団体に近い人数が
ランチで来店することは珍しいらしく、通常ランチタイムでは
解放されてないと思われる奥の座敷席に案内された。小さなお店って
いう印象が強かったから、こんなに奥まで席があるなんて知らなかったし、
ちょっとビックリした。
人間と同じで、お店も見た目で判断しない方が良いってことかな?
っていうか、改めて、『見た目とか、ちょっと見で人も物事も判断する
クセは改めなさいっていうメッセージかも!?』って思ったんだよね(苦笑)
こうして、毎日の何気ない場面で、もしかしたら、色々なメッセージが
届けられてるのかもしれない。ただ、今までは気づかなかっただけでね。
そう考えると、今まで、どれだけたくさんのメッセージを取りこぼして
きちゃったのかなって思った。なんかそれ、ちょっと勿体ないじゃない?(笑)
でも、これから取りこぼさずに、全部受け取るぞ!って決めたら、
きっとそうなるはずだから、取りこぼしたものに思いを馳せるのは
やめとこうかな。
それに、過去に取りこぼしたメッセージがあったとしても、また必要に
なった時とか、私がクリア出来てないことだったら、きっとそのメッセージが
また、届けられるような気もするの。だって、気づいたら最後、とことん
追いかけられそうな気もしてるんだよね(汗)
でもそれは、私にとって、とっても有り難いことだから、ちょっと
面倒臭いなって思わないでもないけど、ここは、真摯に受け止めて
おこうかな(汗)
座敷席に案内されて、一応、上座には部長と弦ちゃんを案内したの。
あとは、好きなように座ったんだけどね。チームのメンバーは、
無頓着だったんだけど、上座にこだわった私を見て、メンバーの中で、
私はチーフなんだからって、部長や弦ちゃんの傍にって勧められた。
もちろん、ここは彼らの意思を尊重して、私は弦ちゃんの隣に座って、
レオンくんは部長の隣に座ることになったんだ。
ここでは、本当は弦ちゃんの傍には座りたくなかったんだよね(汗)
だって、バレちゃいそうでしょ?(苦笑)でも、そう思った次の瞬間に、
どこからか声が聞こえたような気がしたの。『あなたの本当の気持ちは
どうなの?』って、その声に聞かれたんだよね(汗)
その声が聞こえて、ハッとしたんだ!『本当の私の気持ち?』って。
『本当の私の気持ちはどうなんだろう?』って、自分に問いかけたら、
即座に『弦ちゃんの傍に居たい!』って声が届いたの。
そっか、私、今まで、何かを決める時、自分の本当の気持ちをないがしろに
してきたのかもしれない。弦ちゃんのことに関わらず、本当はどうしたい
のか?本当は何を求めてるのか?っていうことをずっと無視して
きちゃったんだって、初めて気がついた。
でも、それって、私に限ったことじゃなくて、そうやって自分の本当の
気持ちを追いやって、周りに合わせることに一生懸命になってるような
気がする。だから、何かを達成しても本当の達成感や満たされた感が
薄いのかもしれない。
それも、前にアトランティーナに言われたように、子供の頃から、
そうなるように教えられてきたからだよね?自分の本当の気持ちを
大切にすることを私たちは、わがままだって教えられてきた。
でも、わがままでも良いんじゃないかなって、最近では思うように
なったの。だって、自分の人生なんだから、良くも悪くも責任を
持つのは自分なワケでしょ?思い通りに生きてないのに、
その責任なんて取りようがないと思わない?
そんなことをグルグル考えてたら、弦ちゃんが心配そうな顔で、
私の顔を覗き込んでたんだよね(苦笑)
「ミウさん、また、どこかに行ってました?(苦笑)」
「あっ、ごめんなさい。ちょっとだけ、旅立ってました(汗)」
「時間も限られていることだし、先に注文するものを決めて
もらっても良いですか?」
「あ、そ、そうだよね(汗)失礼しました。ところで、みんなは
決まったの?」
「ご覧の通り、皆さん、メニューに釘付けで状態です(笑)
部長が、値段は気にしなくて良いとは言ったものの、皆さんの中では、
様々な思いが交錯しているんじゃないかな(苦笑)」
「なるほどね。だから、弦ちゃんは、私に先に注文するものを
決めて欲しかったってことか。私なら、そういう忖度をせずに
好きなものを注文しそうだから(笑)」
「ご名答!」
「っていう弦ちゃんは、決まったの?」
「う〜ん、実は、2つで迷っているんですよねぇ。値段が、
というより、純粋にどちらも美味しそうだなって(笑)」
「そういう時は、自分の身体に聞いてみると良いんだよ。
ね、そうですよね、部長?」
「久遠さん、さすがですね。その通り!迷った時は、というより、
メニューを見る前にご自身に『何が食べたい?』と聞いておくと、
メニューを開いた時に、すんなり決まると思いますよ」
「あっ、それ、良いですね。じゃ、私はまだ、メニューを開いて
なかったので、早速、やってみます!」
深呼吸してから、『何が食べたい?』って、自分に聞いて、
ゆっくりとメニューを開いてみた。そうしたら、そんなに
しょっちゅう来ているワケではないから、メニューのどこに何が
載ってるのかも分からないはずなのに、パッパッパってページを
めくって、お目当てのページで手が止まった。
もちろん、私の無意識下にあるお目当てのページなんだけどね(笑)
それで、迷わず、『これっ!』っていうのが決まった!
「部長!部長のおっしゃる通りでした!このお店は好きだし、
何回かは来たことがあるんですけど、メニューを熟知している
ほどではないんです。でも、なぜか、勝手に手が動いて、サササッと
ページをめくって行って、お目当ての料理が載っているページで
手が止まって、目は、一つの料理に釘付けになりました!」
「久遠さんは、相変わらず素直な人ですね。すぐに実行する。それが、
久遠さんの強みですね。では、久遠さんは、何にするのか、決まり
ましたね?」
「はい!鯛茶漬けにします!」
私が、そう宣言するとメニューに釘付けだったみんなも申し合わせた
ように顔を上げて、一瞬、目がキラッと光ったように見えた。
それで、一斉に「私も!」「僕も!」って、ハモってた(笑)
部長は、その光景にあんぐりって感じだったけど、ちょっと困った
ような顔をしてたんだ(苦笑)
「皆さんも自分の好きなものを頼めば良いんですよ。チーフと同じに
する必要はないんですから(苦笑)」
「いえ、そういうつもりではなくて、鯛茶漬けって名前だけ知ってて、
食べたことがなくて、いつか食べてみたいって思ってたんです。
それにしてもチーフ、鯛茶漬け、よく見つけましたね!どのページに
ありました?」
「ん?3ページ目の真ん中くらいだよ」
「あっ、ホントだ!このページ、何度も見てたのに、
なんで気がつかなかったんだろう?」
「さっき部長がおっしゃったこと、聞いてた?」
「へ?」
「メニューを見る前に、『何が食べたい?』って自分に聞くの。
そうすると、自然と身体が反応して、食べたいものが載ってるところ
まで、連れて行ってくれるんだよ」
「えっ、誰が連れて行ってくれるんですか?」
「手がね、勝手に動いて、そのページまで連れて行ってくれるから。
試してみれば?」
「へぇ〜。っていうか、何言ってるのか、よく分かんないですけど、
ま、今回は、鯛茶漬けでお願いします!」
やっぱり、自分の身体に何が食べたいのかを聞くって、
意味分かんないって思われちゃうんだね(苦笑)これが出来ると
食べるものにも迷わなくなるし、その時に必要なものも分かるように
なるから便利なんだけどね。
「あっ!」
「理沙ちゃん、どうしたの?」
「今のチーフの話を聞いて、面白そうだなって思ったから、試しに
やってみたんです!そしたら・・・。うわっ、ビックリ!
チーフが言う通り、勝手に手が動いて、ページをめくってくれて・・・。
私、鯛茶漬けじゃなくて、湯葉丼にします!なんか不思議!
湯葉丼から目が離せなくなっちゃいました(笑)なんか、本当に
手が勝手に動いて、ゴールまで連れて行ってくれたような感じで、
マジで不思議でした!」
「でしょ!?面白いよね」
「はい!うわぁ、これ、他のお店でも試してみよう!特に、いつも
行ってるお店って、同じものばっかり頼んじゃうんですよ。
でも、この方法を今度試してみます。何を選ぶんだろう、私。
なんか、今から楽しみです」
「ねっ!こうして、メニューを見て、料理を選ぶことも楽しめるんだよ。
こうした些細なことも楽しめるようになったら、毎日が今よりも
もっと楽しくなると思わない?」
「確かに!チーフは、人生を楽しむ見本っていうか、幸せになる方法を
伝授してくれる女神みたいですね!」
「女神は言い過ぎでしょ!(苦笑)」
「いや、理沙子の言う通りですよ。だって、チーフのお陰で、
ブルータイガーさんにプレゼンする機会を得て、そのプレゼンにも勝利して、
今週末は、そのイベントですよ1幸せになる方法を伝授してくれるだけ
じゃなくて、勝利の女神でもある。
更に、こんなに良いお店に連れて来て
貰えて、お昼から贅沢が出来るなんて・・・。俺、このチームに入れて
良かったぁ・・・って、今、改めて思ってます!」
「それは良かったね、三神くん(苦笑)」
「はい!」
中川理沙子の話を聞いて、<何言ってるのか、よく分かんない>って
言ってた谷潤也も試して、不思議現象に興奮気味になってた(笑)
そうして、私が鯛茶漬けにするって言った後、みんな、私に倣ってたのに、
いつの間にか、それぞれが違うメニューに変えていた。
そうそう、レオンくんだけは、最初からお刺身定食って言ってて、
初志貫徹してたけどね。
<次回へ続く>