子供の頃から、学校とかで<自分に厳しくしなさい>って言われて

きたから、自分に厳しいことは良いことなんだとばかり思ってた。

でも、他人には優しくしなさいって言うよね。それって、よく考えて

みたら変だと思わない?他人には優しく接しなさいって言うのなら、

自分にも優しくしなきゃダメでしょ!

 

 

あっ、でも、パパは違ったかも!いつも<ミウは、頑張り屋さんだね>

って褒めてくれてたなぁ・・・。でも、そう言ってくれた時のパパの顔、

ちっとも嬉しそうじゃなかったような気がする。もしかしたら、パパは

『そんなに頑張らなくても良いんだよ』って思ってたのかもしれないね。

だったら、言ってくれたら良かったのにな。

 

でも、もし、あの頃パパが<ミウ、そんなに頑張らなくても良いんだよ>

って言ってくれてたとして、きっと私は、<なんで、頑張らなくても

良いの?>って聞いてたかもしれない。たぶんだけど、なぜ頑張らなくても

良いのかという質問に対する答えを持ってなかったから、パパは

言わなかったのかな?それは、ちょっと考え過ぎ?(笑)

 

 

パパが何を思っていたのかは、もう知るすべがないから仕方ないけど、

頑張ることって必要なのかな?例えば私の場合だけど、もちろん、頑張って

叶ったこともある。でも、全然、頑張った実感がないのに、まるで

棚からぼた餅状態で叶っちゃったこともあったりするんだよね(苦笑)

そう考えると、願いが叶うのにも法則っていうか、そういうのがあるような

気がするんだ!

 

「ね、アトランティーナ、今、ちょこっとだけ過去を振り返ってみたんだけど、

ちょっと聞いても良い?」

 

「良いわよ。な〜に?」

 

「私ね、基本的に頑張ることが苦になるタイプではないの。だから、目標が

定まったら、とことんまで頑張るし、多少の無理も厭わないんだけど、

それでも叶わなかったことってあるんだよね。もちろん、頑張った結果、

叶ったこともあるけど・・・。

 

でも、逆に何も頑張ってないのに叶っちゃったこともあるんだよね。

だから、もしかしたら、願いとか、夢とかが叶う法則みたいなものが

あるような気がするんだけど、そういうのってあるの?」

 

 

「まぁ・・・そうねぇ・・・。あると言えばあるし、ないと言えばない、

かしらね(苦笑)」

 

「それって、どっち?」

 

「弦夜、どう思う?」

 

「う〜ん、難しい質問ですね(苦笑)僕も・・・あると言えばあるし、

ないと言えばないっていう答えが適切なんじゃないかなって思います」

 

「え〜っ、全然、分かんないんですけど!」

 

「これはね、ちょっと理解しづらい話なのよ(苦笑)」

 

「どういうこと?」

 

「引き寄せの法則の話はしたわよね?」

 

「うん!自分が発しているエネルギーに似たものが引き寄せられてくる

っていう話だよね?だから、叶えたいことや欲しいものがあったら、

自分がそのエネルギーと同じようなエネルギーを発することが出来るように

すれば、叶えたいことも欲しいものも向こうからやって来てくれるって

いうことでしょ?」

 

 

「そうね、その通りよ。だから、頑張るんだとすれば、自分が叶えたい

ことや欲しいものと同じようなエネルギーを発するようにしていく方向性

なんだけど、そもそも宇宙も神さま、大いなる源と呼ばれるものは、

頑張ることを求めてはいないのよ」

 

「えっ?頑張らない方が良いってこと?」

 

「じゃ、ミウ、聞くけど、さっきミウが<頑張った結果、叶ったことも

あるけど>って言ったけど、それが叶った時、ミウは嬉しかった?」

 

 

「それがね、そうでもなかったんだよね(苦笑)めちゃくちゃ頑張って、

手に入れたものなのに、なんか拍子抜けっていうか、肩透かしをくらった

みたいな感じっていうか、『あんなに手に入れたかったのに、

なんでこんな感じなんだろう?』って、不思議だったんだよ。

 

手に入れる前は、『絶対に欲しい!』って思ってたのに、いざ手に入れて

みると、『本当に欲しかったのかな?』って思っちゃって、自分のことが

分からなくなっちゃったんだよね(汗)」

 

 

「ということは、達成感を味わうことは出来なかったということよね?」

 

「うん、そうだね。達成感はなかったかもしれない。でも、パパはめっちゃ

喜んでくれたから、『これで良かったのかな』とは思ったかな(苦笑)」

 

 

「でも、ミウの人生は、ミウのものであり、ミウのパパのものではない

ものね。いくらミウのパパが喜んでくれたとしても、ミウ自身が幸せで

なければ意味がない。そうは思わなかったの?」

 

「うん、ちょっとは思ったかも(汗)でも、目指してる時は、何の疑いも

なく、目指してたんだよ。それなのに、手に入った途端、『あれっ?』って

なるのって、なんでなんだろうって、不思議に思ったことは覚えてる

かな(苦笑)」

 

 

「つ・ま・り、その願いは、ミウが本当に望んだことではなかったという

ことなのよ」

 

「え〜っ!そうなの!?」

 

 

「だって、そういうことになるでしょ?一生懸命に頑張って手に入れたモノ

なのに、いざ手に入れてみると、それほど嬉しくなかったということは、

ミウ自身が本当に欲しかったわけではないということになると思わない?」

 

「そう言われてみれば・・・。う〜ん、そういうことになるのかも

しれない?」

 

 

「私たちに聞かないでよ(笑)」

 

「あっ、そうだよね(汗)」

 

「でも、ミウさんが本当に欲しかったわけでもないのに、一生懸命に

頑張ったのはどうしてなんだろう?僕だったら、本当に欲しいと思っていない

ものを手に入れるために一生懸命に頑張るなんて出来ないと思うなぁ・・・」

 

「そこなの!さっき話したでしょ?自分に厳しくなるのは、エゴに起因するって」

 

「えっ、全然、分かんないんですけど・・・。どういうこと?」

 

「じゃ、少し長くなってしまうかもしれないから、先にお風呂を済ませてからに

しましょう。そうすれば、すぐに寝られるでしょ?何かすることが残っていると、

どうも落ち着かないのよね(苦笑)」

 

「ま、確かにそうだね。じゃ、順番にお風呂を済ませてから、また集合ってことに

しよう!」

 

「じゃ、僕は最後で良いです。でも、僕がお風呂に入っている時に話を始めないで

くださいね!」

 

「大丈夫!ちゃんと弦ちゃんがお風呂から出るのを待ってるから安心して」

 

「約束だよ!」

 

「大丈夫よ、弦夜。そこまで意地悪じゃないから(笑)」

 

「まぁ、アトランティーナはさておき、ミウさんは待っていて

くれるって信じてるから」

 

「あら、ひどい(笑)」

 

「アトランティーナ、全然ひどいって思ってないでしょ(笑)」

 

「そんなことないわよ。傷ついたわ(笑)」

 

「いや、全然、傷ついてもいないと思う(笑)

じゃ、アトランティーナから先にお風呂入っちゃって」

 

「ええ、分かったわ。お風呂といっても今夜はシャワーだけに

しようかしらね」

 

 

「そうだね。その方が早く済むしね」

 

 

<次回に続く>