結局、朝ご飯の支度をしながらも、お喋りが続いたから、準備するのに、

めっちゃ時間がかかっちゃった(汗)お喋りは、一旦、お休みして、

食事の支度をしようって言ってたのに、議題が変わっただけだもんね(笑)

 

 

でも、お陰でまた、良い話が聞けたから良かったんだけどね。人間関係は

掛け算って、初めて聞いたかも。だって、寂しいから恋人が欲しいとか、

寂しいから結婚したいって言う人、めっちゃ多いよね?スタートが違って

いるから、幸せな関係を築いてる人が少ないのかもしれないって、

思っちゃった(汗)

 

 

私は、寂しいからっていう理由で、恋人が欲しいって思ったこと

ないんだよね。それは、なんか、そんな理由でつきあいたいって思う

のは、相手に失礼なんじゃないかなって思うから(汗)

 

もちろん、ただ、寂しいってことだけでなくて、相手のことが好きって

いう気持ちもあるのかもしれないけど、寂しいって気持ちが強くなり

過ぎると、本当に好きなのか、寂しいから好きって感じるのか、

分かんなくなっちゃいそうな気がするもんね(苦笑)

 

私って、元々、独りで過ごすことに抵抗がないタイプだから、って

いうか、好んで独りになりたがる傾向が強いから、寂しいから誰か傍に

居て欲しいとかって思ったことがないんだ(汗)旅行も、みんなでワイワイ

っていうより、基本、一人旅が好きだからね(苦笑)

 

 

だからだと思うんだけど、寂しいから恋人が欲しい、寂しいから結婚したいって

いう人の気持ちがイマイチ分かんないんだよね(汗)

 

 

「そういうところが、可愛げがないんだよ」

 

って、前に吐き捨てるように言われたこともあったけど・・・。

言われた時は、それなりにショックを受けたりもしたんだよね(苦笑)

 

でもさ、そんなこと言われても、どうしようもないと思わない?

だから、『可愛げがなかろうと、それが私なんだよ!』って、

開き直っちゃったんだ(笑)そうしたら、すっごく楽になったけど、

それもあって、『もう、恋人なんて要らない!』って思った原因にも

なってるのかもしれない。

 

 

ま、この話も浮気の話を聞く前に、もう少し詰めてみても良いかもしれない

よね。今は、とにかく朝ご飯!いつもは、そんなにお腹空かないんだけど、

なんか今日は、お腹空いてるんだ。起きがけにたくさん喋ったからかな?(笑)

 

今朝のご飯はパスタとサラダ。あと、弦夜特製のスープ。って言っても、

野菜のごった煮スープなんだけどね(笑)ショートパスタなんかも入ってて、

弦夜なりに工夫はしてくれたみたい。でもね、味は良かったよ。優しい味って

いうのかな。飲んだらほっこりするような感じで、私は好きな味だったかな。

食事と後片付けは、サクッと終わらせようってアトランティーナに言われて、

無言で食事したの。誰かが喋り出すと、また、食べるよりもお喋りの方が

弾んじゃうでしょ(笑)だから、アトランティーナが<食事中、喋ったら罰金ね>

って言ったんだよね(苦笑)そうでも言わなきゃ、無言で食事なんて、

あり得ないもんね(笑)

 

 

お陰で、食事も後片付けも無言のままだったけど、早くに済んだんだよ。

三人共、無言だったから、誰も罰金を払うことはなかったんだけど、もし、

誰かが喋って罰金を支払ったとしても、たぶん、次回のデザート代に

なったんだと思うんだ。だから、別に支払っても良かったんだけど、

アトランティーナがそこまで言うくらいだから、喋らない方が良いって

ことなんだよなって、弦ちゃんも私も察して、喋らなかったんだと思う。

 

食事も済んで、今は、いつも通り、私がコーヒーを淹れている。弦ちゃんが

買って来てくれたデザートも少し残ってるから、コーヒーと一緒に頂きながら、

お喋りタイム再開だね。聞きたい話もあるし、コーヒー淹れながら、

ワクワクが止まらないの(笑)

「アトランティーナ、無言縛りは、いつ解けるの?」

 

「ミウがコーヒー淹れ終わって、座ったら解こうと思っているわ」

 

「今、ミウさんが喋ったのは、罰金の対象ですか?あ、あと、今、僕が

喋っているのは?」

 

「今のミウも弦夜も対象外にしてあげる(笑)ところで、コーヒーは、

そろそろかしら?じゃ、私は、デザート?スイーツ?をお皿に乗せるわね」

 

 

「あっ、僕も手伝います!」

 

「そう?じゃ、お願いしようかな」

 

こうして、私たちは粛々と食後のお茶タイム?いや、お喋りタイムか?

ま、どっちでも良いけど、準備を進めたの。

 

「はぁ〜、喋らないとこんなにスムーズに早く、色々なことが運んで

いくのね(笑)」

 

「ホントだね!でも、アトランティーナと二人の時は、話しながらでも、

作業が中断することって、あんまりないよね?」

 

「それって、なんか僕が悪いみたいじゃない!」

 

 

「別に弦ちゃんが悪いとは言ってないけど、なんで弦ちゃん一人が増えた

くらいで、こんなにも変わるのか、ちょっと不思議だっただけだよ(笑)」

 

「本当にそうよね。特に弦夜が一人で喋っているというわけでもないのに、

どうして、こうも時間が掛かるのかしらね」

 

「たぶんですけど、アトランティーナとミウさんだけの時よりも話が

膨らむんじゃないですか?ミウさんは、アトランティーナから基本的なことを

1年以上かけて教わっているじゃないですか。でも、僕は、初めて聞くことも

多いから、つい途中で口を挟んで、話を中断させてしまうからじゃない

かなって」

 

 

「あ〜、そうかもしれないね(汗)」

 

「弦夜、そもそも、あなたが知っているであろう話を知らなさ過ぎることが

原因なんだと思うわよ」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

 

「仮にもあなたは、守護天使というのが、本来の姿でしょ?今回は、

イレギュラーなんだから。それなのに、人間以上に人間っぽくなって・・・。

しかも、困ったちゃんの部類に入ってしまっているなんて、正直、

ガッカリよ」

 

「すみません。返す言葉もございません」

 

 

「まぁまぁ、弦ちゃんには、弦ちゃんの事情があったと思うし。

ね、そうだよね?」

 

「ここで何を言っても言い訳にしかならないから(苦笑)本当にそうだと

思います。というよりも、守護天使の目線で過ごすと、大変なことが多かった

というか・・・。僕の弱さだとは思うんですけど、流されてしまった方が

楽だったんですよね(苦笑)」

 

 

「ミウ、こういうことなのよ。ミウだって、流されてしまった方が

楽だなって思ったこと、私と出会ってからもあったでしょ?」

 

「まぁ・・・あったといえば、あったかな(苦笑)」

 

「それでもミウが流されなかったのは、どうしてかしら?」

 

 

「その瞬間は、流されてしまった方が楽なのかもしれないけど、その先の

ことを考えたら、流されない方が、自分が生きやすいっていうか、

あっ、違う!生きやすいんじゃなくて、アトランティーナから

<自分を好きになりなさい>って言われたからだ!

 

 

この先、自分のことを好きでいるためには、今、何をしたら良いのか、

どっちを選択した方が良いのかって考えて決めてきたから、流されない方を

選んだんだと思う。自分のことを好きでいるために、あと、自分のことを

信頼するためにっていう観点を忘れないようにしてきたからじゃないかな」

 

「偉いわよね、ミウは。私に言われたことを素直に受け容れるだけじゃ

なくて、忘れないで、行動に反映させてくれて。弦夜は、今のミウの言葉を

聞いて、どう感じた?」

 

「僕の傍にもアトランティーナが居て欲しかったなって思いました」

 

「ま、それも素直な感想と言えば、そうなのかもしれないわね(苦笑)」

 

「言い訳になってしまうと思いますけど、人間として生まれてきたのは

初めてなんです。だから、傍でエゴに振り回されるのも見てきたし、

自分の思いや気持ちを素直に表現できない人もたくさん見てきました。

 

でも、こちらに助けを求めてくれないと僕は、何もしてあげることが

出来ないので、もどかしい思いもしてきました。

 

でも、自分が人間になると、そんなことも忘れて、日常生活に追われている

うちに、段々、エゴが占める割合が大きくなってしまったんだと思います。

それで、人間関係のしがらみとか、世の中のシステムを理解して、

より自分が評価されることに夢中になってしまったんだなって。それが強く

なればなるほど、守護天使としての自分が、損なわれていってしまったんだと

思います」

 

 

ふぅ〜ん、そういうものなんだね。私は、元々は天使だったって聞いてるけど、

天使だった時の記憶がないから、よく分かんない。弦ちゃんは、敢えて

守護天使だった頃の記憶を持ったまま、人間になったって言ってたけど、

それがかえって、よくなかったんじゃないかなって思うんだよね。

 

何の記憶も持たないで、真っ白なまま生まれてきた方が、もっと素直にって

いうか、自然にっていうか、生きてこられたような気がする。

 

人は、生まれて来る前に天界で、今回の人生のアウトラインを決める

らしいんだけど、その記憶が残っていると生きづらいから、こちらに来る

直前に、忘却の泉っていうのがあって、その水を飲んで、決めたことを

全部忘れてから生まれて来るっていう話を聞いたことがあるの。

 

 

弦ちゃんは、人間じゃないから、人間ほど記憶を持ったままでも

混乱しないのかもしれないけど、やっぱり、赤ちゃんの頃っていうか、

小さい時にもしっかりとした記憶があると他の子供とも合わないだろうし、

何かと生きづらいような気がするんだよね(苦笑)

 

だって、周りは、その年齢に即した対応をしてくるワケじゃない?

赤ちゃんだったら、あやしたりもするしね。でも、あやされてる方は、

大人と変わんないワケだから、なんか複雑だよね(苦笑)小学校に

行っても、周りとは話が合わないだろうし、でも、無理矢理にでも

合わしたりしたんだよね、たぶん。

 

それって、苦痛以外の何物でもないような気がする。その中で、周りを

見て、なんとか合わせながら生きていくって、思っている以上に大変な

ことなんだと思うんだ。だったら、何も知らないで、年齢を重ねて

いきながら学んでいった方が絶対に楽でしょ!って私は思ったりする。

 

忘却の泉の話を聞いた時は、『生まれて来る目的を覚えてた方が

絶対に良いでしょ!それなのに、なんで忘れてから生まれて来るの!?』

って思ったけど、こうして弦ちゃんの話を聞くと、やっぱり、忘却の泉は

必要なんだなって思う。神さまが決めたことに間違いはないんだなって

改めて思った。

 

でもなんで、弦ちゃんは記憶を残したまま生まれて来ることを

選んだんだろう?それって、弦ちゃんに限ったことじゃなくて、

レオンくんとか、ハヤトくん、テルさんもそうなのかなぁ?

あ、あと芳村部長も。そこのところ、ちょっと気になっちゃう(笑)

 

 

<次回へ続く>