公約通りに再開を果たしました『死亡遊戯』ラフカット映像検証企画「GAME OF DEATH✴UNEDITED」。

今回はご覧の新界野外ロケで、五重塔は1階を守る“蹴りの達人”黄仁植のキッキングデモンストレーションを武術指導する李小龍監督(上半身裸で後ろ姿)を捉えたカットです。 

ご存知のようにこの黄仁植が野原でスタントマンたちを連続の廻し蹴りで次々と打ち倒す一連のアクションシーンは『ブルース・リーの神話』(83)で初めて公開されました。 

さらに言えば、この黄仁植のキッキングアクションが五重塔の1階を守る“蹴りの達人”唯一の関連映像でもあるわけです。 

また約110分バージョンのラフカットの巻末に収録されたこの黄仁植のキッキングアクションも、同じく黄仁植がスタントマンを連続廻し蹴りで打ち倒すテイクを何度も何度も撮り直しています。 

それ以外は黄仁植が池漢載師範のデモンストレーションの絡み役で登場するだけで、改めて五重塔は1階での李小龍☓黄仁植戦が未撮影に終わった事が実に惜しまれます。 

李小龍自身も黄仁植のテコンドー&ハプキドーをベースとした蹴り技を高く評価していて、池漢載師範と黄仁植が『死亡遊戯』の撮影のために香港にやって来た時は歓迎会を開いて2人を歓待しました。 

また李小龍監督は日記に『燃えよドラゴン』(73)のために中断していた『死亡遊戯』の撮影を1973年9月に再開すると書き残していて、それはかなりの確率で五重塔は1階のvs黄仁植戦から撮影を再開する予定だったと思われます。 

だからこそ李小龍は『燃えよドラゴン』撮影中の武器博物館セットで、陳銀和らと五重塔は1階での李小龍☓黄仁植戦を想定としたリハーサル映像を撮影しながら黄仁植が韓国から香港に来るのを待ったわけです。 

ではその李小龍☓黄仁植戦は果たしてどのような闘いだったのか?残念ながらそれについては確かな情報や資料はまだ見つかっていませんが、もしかしたらこのラフカット映像で李小龍監督の右隣に立つ林正英なら李監督からある程度の殺陣のアイデアを聞いていた可能性もあったかも知れません。 

ただその林正英も既に鬼籍に入ってしまった以上、五重塔は1階の闘いに関する謎は今後も明かされる事なく終わりそうなのが本当に残念です。 

今回も高橋眞人さんに画像を提供頂きました。ありがとうございます😊。 


Bruce Lee action directing kicking expert Hwang In Shik as pagoda guardian for Game of Death.