改めてチャック・ノリスが逝ってしまったのが本当に寂しいです。 
ただ李小龍がご覧の『ドラゴンへの道』(72)でチャック・ノリスやボブ・ウォールを、前作『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)でボブ・ベイカーを、そして『死亡遊戯』でダン・イノサントやカリーム・アブドゥル・ジャバールたちアメリカ時代の友人や弟子を香港に呼び寄せ、自分の主演作品で強敵として主人公(李小龍)と闘わせたのは何故か?。 
それは1970年代初頭の香港映画界に李小龍が思い描く斬新でハイレベルなクンフーアクションを共に体現できる武打星がいなかったからです。 
ならば自分が理想とする新しく革新的なアクションを100%理解し、また共に闘う事でそれをスクリーンで体現出来る友人や弟子をアメリカから呼ぼう!。 
それが李小龍主演作品のクンフーアクションのレベルを飛躍的に上げた事で、香港を含めた東南アジアでの爆発的な大ヒットのベースとなった事は間違いないでしょう。 
この李小龍の新感覚のアクションパフォーマンスプロジェクトを後に1980年代後半の香港映画で再び導入したのがドニー・イェンこと甄子丹でした。 
香港映画界に今一つ馴染めず息詰まっていたドニー兄貴は心機一転、アメリカから道場仲間であるマイケル・ウッズ、ジョン・サルビティ、ステファン・バービックを呼び寄せると、師匠である袁和平監督作品『タイガー刑事』(88)、『クライムキーパー香港捜査官』(89)、そして『タイガーコネクション』(92)で、それまでの成龍や洪金寶が見せるアクロバットアクションとは異なる、リアルでデンジャラス、そしてハイクオリティなアクションシーンを構築して見せたのでした。 
李小龍を敬愛するドニー兄貴がかつて李小龍が試み成功したアクションプロジェクトをもう1度導入した事で、そこから甄子丹という類稀なる武打星が香港映画界で躍進する切っ掛けとなったわけです。 
私はそこに李小龍と甄子丹という、共にアメリカを第2の母国とする2人の偉大なる武打星の数奇な運命を感じるのです。
ご覧の素晴らしい『ドラゴンへの道』の画像を提供頂いたTさんに感謝致します。ありがとうございました😊。 

 Cool and rare color pic from Way of the Dragon.