今回はこういうお題でいきます。「ゲゲゲの鬼太郎」は水木しげる
による漫画作品です。始まったのは戦後すぐの1954年、紙芝居作品と
してでした。そしてその後、貸本屋作品に移り、

最終的には週刊誌による連載となりました。最盛期、水木しげるは「悪魔くん」
や「河童の三平」などの他作品もあり、そうとうに忙しかったようです。
とくに戦争での傷痍により、片腕がなかった水木にはたいへんでした。

奥様が『ゲゲゲの女房』という本で書いておられますね。

その後、TVアニメや映画化もされ、現在では知らない人がないくらいです。
ここでちょっと貸本屋について説明しますと、戦後は、漫画のコミック本も
ありましたが高価で、買える子どもは少なかった。そこで貸本屋に行って
安価に本を借りてくるわけです。

 



貸本屋本専門の出版社があり、よくわからない作者がいろんなジャンルを
描いていました。現代でもインターネット配信のせいで、レンタルビデオ屋は
絶滅しつつある状況ですが、それと同じことが貸本屋に起きていたんです。
昭和40年ころには見かけなくなりました。

さて、鬼太郎ですが、最初は「墓場鬼太郎」という題名でした。しかし、
テレビ放映にあたり、墓場という言葉で企業イメージが悪くなるのを
嫌ったスポンサーからの要請で、「ゲゲゲのー」という題名に変わったんです。
これを考えたのは水木しげる本人のようです。

しかしこれは、たいへんいい題名だと思いますね。「妖怪大作戦」などと
いうのよりもずっといい。「ゲゲゲのー」という響きには、これはどんな
内容なんだろうと思わせる力があります。

 

鳥山石燕の幽霊



ちなみに「ゲッ、ゲッ、ゲゲゲのゲ~」という主題歌の作詞は水木しげる、
作曲はいずみたくとなっています。さて、鬼太郎を妖怪だと思って
おられる方が多いと思います。それは間違いないんですが、

水木しげるの中では、まず全体として妖怪族というものがあり、その中の
エリートである幽霊族がいる。その幽霊族の最後の生き残りが鬼太郎なんです。
そして鬼太郎の父親である目玉おやじですが、

 



もともとはふつうの人間と変わりない外観でした。それが幽霊特有の病気で
死に、遺体は腐りましたが、鬼太郎のことが心配だという執念から、
片方の目玉だけがよみがえり、それになぜか手足が生えて目玉おやじに
なったんです。ですから、妖怪族の中に幽霊もいて、それらをすべて
ひっくるめてお化けというんだと思います。

これは江戸時代の考え方をもとにしていて、たとえば妖怪絵師、鳥山石燕の
妖怪画には、項目として「幽霊」というのが入ってるんです。もともと
妖怪とは「怪しい不可思議な現象」を指す言葉で、「〇〇の屋敷で昨日、

妖怪があった」のように使われていたんです。

 



鬼太郎の仲間である、子泣きじじい、砂かけババア、ヌリカベ、一反もめんなどは
妖怪ですが、ねずみ男とねこ娘は人間と妖怪の間に生まれた半妖怪、
つまりハーフなんですね。

鬼太郎の武器としては、髪の毛を針のように飛ばす髪の毛針、これは近くに
妖怪がいると立ち上がり、レーダーとしての役割も果たします。
あとは自分の脳波で操るリモコン下駄。

先祖の霊力がこもったちゃんちゃんこなどです。とくにこのちゃんたんこの
力はすごく、いろいろなことができます。鬼太郎が戦うのはおもに日本の妖怪

ですが、漫画の中では朝鮮妖怪、南方妖怪、西洋妖怪などとも戦っています。

 

いろいろな妖怪



とくに南方妖怪は、水木が戦争中に南方で戦ったときの思い出が込められて
いるようで、なかなか力を入れて描かれています。水木しげるには、

妖怪ものと並ぶ存在として戦記ものがあります。

 

まあこんな感じなんですが、妖怪は10数年ごとにブームが起きており、

多種多様な妖怪がいるため、コレクション性があるんですよね。水木の作画に

ついては、点描が大きな特徴で、妖怪の外観は昔の妖怪画や人形の首、お面など、
いろいろな資料を参考にしているようです。では、今回はこのへんで。