今回はこういうお題でいきます。民俗学と都市伝説のお話です。
まず福子ですが、これは宝子(たからこ)とも言い、障害を持って生まれた
子どものことです。障害は、身体障害より、知的障害が多かったと思われます。

脳性麻痺、水頭症などか。

このように生まれた子は、なかなか言葉を覚えることができず、緘黙(かんもく)
などもあるため、常人ではないと考えられました。この処遇について
2つの場合があったのではないかと民俗学では言われますね。

一つは、「障害児がいると一家が一致団結し,裕福になる」という福子信仰です。
とくに関西に濃密に分布しているとされます。福子信仰は,あくまで身内
の障害児の扱いと見方から出発したものと思われるますが、地域によっては
これをフクスケと呼ぶところがあり、共同体の手で大切に育てられました。

 



これだけなら心温まる話なんですが、東北地方などでは、福子は7歳になるまでに
処分しなければならないと決められていたところもあるようです。7歳までは
人間ではなく、神のうちなのだから、その間になんとかということですね。

そういった子どもは、怪談の「累ヶ淵」のように、川に落とされる場合もあれば、
甕に遺体を入れて家の敷地内に埋めたり、家の中に特別な場所をつくって、
そこに安置したりしていたという場合もあります。

考古学的には、「埋甕(うめがめ)」という風習があります。縄文時代に
見られた風習で、深鉢形土器を土中に埋納するものです。主に住居の内部や
外部に埋められ、子どもの胎盤を納めて健康を願う意味が込められています。

 

埋甕



埋甕は、縄文中期中頃に中部から西関東地方に広がり、乳幼児の骨が
発見されることや、胎盤に由来する高等哺乳動物の脂肪酸が検出された
ことから、このように推察されています。

ただし、死んでから埋められたのか、生きていたのかははっきりわかりません。
また、これは障害者であったとはかぎりませんし、死産であった子どもかも
しれません。おそらく縄文時代においては、出産はかなりの
難事であったと考えられます。

このようなことが背景にあり、いよいよワラズマの話ですが、これはおそらく、
「童間」と書くのではないかと思います。出典は、2ちゃんねると
考えられています。このような話です。

 



主人公は4歳の頃に親戚の家に泊まった際に女性の指の姿をした異形と出会う。

幼い主人公は異形を“お指様”(又はフィンガー様)と呼んで面白がる。
主人公は母親達にお指様を見せようとするが、お指様は住んでいる部屋から
出ようとせず、仕舞いには主人公の頬を引っかいてしまう。

その後、主人公は成長するに連れて親戚の家に行かなくなり、お指様の事も
思い出さなくなる。大学生になった主人公はサークル仲間のA子に一目ぼれ
するも、彼女から嫌われて避けられる。サークルの旅行で行った場所で

上半身のみの女性の悪霊に遭遇した際、A子は主人公を悪霊の前に押し出す。
主人公を前にした悪霊は何処かに消えてしまう。あとでA子が言うには、
彼女には霊感があり、

 



主人公の顔の傷には守りの力があり、悪霊を追い払うことができると
思ったからだと言う。もちろんこの後、主人公のA子への恋は
実ることはなかった・・・

福子についての知識を背景にした、なかなかよく考えられたお話でしたね。
ワラズマとは、家の繁栄の為に悪霊の類を神様として祀る部屋をさします。
それを維持するためにはいくつかのルールがあり、

・ 必ずその家の仏間の隣に作らなくてはならない。
・ 四方を廊下で囲み、そこは人の通行を制限してはならない。
・ むしろ客人には、その廊下を通ってもらったほうがよい。
・ ただし、ワラズマのことは、家の者以外に話してはいけない。
・ 部屋には出入り口を2つないし3つ作らなくてはならない。

客人をワラズマの部屋に泊めるのは、もしもワラズマの霊が暴れ出したとき、
客人の命を生贄として捧げることでしずまってもらえるからだということです。
ただ悪霊を封じ込めるのではなく、出入りができるようにするというのは
珍しい形です。では、今回はこのへんで。

 

おそらく座敷わらしとの関係もあるでしょう