今回はこういうお題でいきます。まずは、リンパ系についての
一般的な知識から。リンパ系は、循環器系を密接に補完しつつ、
免疫機能の中核を構成する要素として機能しています。
具体的には以下の3つの主要な役割を担っています。

・体液バランスの維持(組織液の回収と血液循環系への返還)
・免疫応答の中心的役割(病原体やがん細胞に対する防御)
・栄養吸収(特に小腸で吸収された脂肪の輸送)

つまり、リンパ管の中には体液が流れているわけです。ただし、
この管は血管のようなしっかりしたつくりではありません。
また、血管は心臓のポンプ機能によって強制的に流れますが、
リンパ管はそうではありません。

 

血管とリンパ管



主に筋肉の動きによって流れるようになっています。ですから、
動きによっては、流れがよどんでしまうこともあります。それが
むくみとして出るわけですね。これをマッサージによって
強制的に流すのがリンパドレナージです。

乳がんなどで、脇の下のリンパ節を取ってしまった場合、リンパ液の
流れが筋肉に漏れて、腕がむくんでしまうことがあります。
これがリンパ浮腫で、手術の後遺症の一つです。

現在は、多くの病院にこれを治療するためのリンパ科があり、また
個人のクリニックでもリンパ浮腫専門のところもありますので、
上手に利用するのがいいと思います。

 

リンパ浮腫の例



自分は8年前、肺の扁平上皮癌ステージⅡbと診断され、手術を
受けたわけですが、そのときに広範囲なリンパ節郭清を行いました。
正確な数は忘れてしまいましたが、たしか26個くらいでした。

リンパ節とは、リンパ管の関門のようなもので、体の中にいくつも
あります。原発巣からリンパ管を通ってがん細胞が流れて、
リンパ節に引っかかって止まることがあるんですね。

自分の場合、事前の検査では、リンパ節転移はないことになって
いましたが、手術後に、取ったリンパ節の病理検査したところ、
リンパ節に3個、転移していることがわかりました。

 



ただ、自分の原発巣は右肺の中葉と下葉の間の太い気管でした。そして
転移したリンパ節はそのすぐ近くでしたので、そのまま治癒する
可能性も高かった。これが反対側の肺などで見つかった場合は危ない。

そこで手術後に、再発予防のための抗がん剤、ゲムシタビン+カルボプラチン
を4クールやりました。だいたい手術後1ヶ月頃から始めました。
何度も書いてますが、副作用はほとんどなし。これは、リンパ転移が
あった場合、やったほうがいいと思います。

手術の後、リンパ節だけに転移が見られる場合もあります。このとき、
遠くのリンパ節であれば、全身転移の可能性が高いとして、
抗がん剤治療のみになる場合も多いんですが、

 

リンパ節は体中にある



再手術でそこをとってしまうケースや、放射線で消してしまうことも
あります。これは主治医の判断なんですが、納得がいかなければ
セカンドオピニオンもあると思います。

もちろん、原発巣の近くのリンパ節で見つかった場合は治りやすく、
遠く離れたところで見つかると治りにくいんですが、
絶対にそうだというわけではありません。そのリンパ節だけに
留まっていることもないわけではない。

 

リンパ節転移



リンパ節を郭清して、自分の場合は特に体の不具合はなかったですね。
前述のリンパ浮腫も起きてはいません。むしろ、神経を切断したための
神経痛と、あとは肋骨を一本とってしまってないので、
体の外からさわってみて変な感じがするくらいです。

ということで、リンパ節転移について見てきました。原発巣の近くの
リンパ節に留まっていれば治癒の可能性があり、遠くのリンパ節に
転移しているほど厳しい。転移したリンパ節はいずれ腫れてくるので、
CTで発見することができます。では、今回はこのへんで。