今回はこういうお題でいきます。がんのお話ですね。さて、
健康食品には流行があります。一昔前、もっと前かな、深海鮫エキス
というのがありました。深海鮫はひじょうに寿命が長く、
500年を超える種類のものもいます。

ですから、そのエキスを摂取すれば人間も健康になる・・・しかし、
これはどうでしょうか。深海鮫の寿命が長いのは、進化の過程で
サメが獲得した特性です。違う進化の道を歩んでいる人間に
果たして効くかどうか。自分はかなり怪しいと思います。

これまでに流行した健康食品は、フコイダン(海藻のぬめり成分)
アガリクス、メシマコブ、サルノコシカケ、レイシなどのキノコ類。
ブロリコ(ブロッコリー由来の成分)、プロポリス(蜂由来の成分)
などなど、たくさんあります。

 



こういうのが次から次へと出てくるんですね。で、これはダイエットとも
よく似ています。バナナダイエット、リンゴダイエット、サバ缶ダイエット、
納豆ダイエット・・・、みなさんの中にもこれらを
やった人もおられると思いますが、どうですか、痩せましたか?

ちなみに、健康食品はあくまで健康食品です。つまり、現在健康である人が
それを維持・増進するためのものです。ステージⅣのがんの
治療のためのものではありません。これは重要なことです。

健康食品は、いちおう体に有害ではないかのチェックはされていますが、
薬品のように厳しいものではありません。さらにある特定の
病気に効果がある、というチェックはなされていないのです。

 



ですから、これを摂取すればがんが治る、などという食品はないのです。
さらに、当然抗がん剤などと併用した場合の作用などは
調べていませんので、有害である可能性もあるんですね。

この手のものは、マウスなどの動物実験はされていますが、人間での
チェックは行われていません。マウスと人間では、総細胞量は
1000倍も違いますし、血液中の成分も違います。
免疫機構も違えば代謝も違う。寿命は2年程度。

ですから、マウスで何らかの効果があったとしても、人間に効果が
あるとは言えないんです。マウスのがんにお茶、ウコン、塩などを
なすりつければがんは死にます。それはそうですね。
しかし、人間には効果がないと思ったほうがいいでしょう。

それとも毎日大量に塩をとりますか?

 



では、なぜこれらの健康食品が流行るのか? 一つには、新しい
ものは効果があるのではないか、と思ってしまう人間心理です。中には、

新たに出てきたものをとっかえひっかえ試してしまう人もいます。

次に考えられるのは、メーカーの戦略です。健康食品はあたれば
儲けが大きいんですね。ですから、各健康食品メーカーは
次のヒット商品を出そうと、つねに虎視眈々とねらっています。
それに引っかかってしまう人も多いんです。

3つ目は、健康食品を発売することの安易さです。上にも書いたように、
新しい薬品を出すには厳しい条件がありますが、健康食品を
出すのはずっとっずっと簡単です。

 



これらのことがあいまって、新しい健康食品の流行が次々と
出てくるんです。しかし、断言してもいいですが、健康食品で、
なってしまったがんが治るということはありません。

むしろ、そういうものを優先して、標準治療の機会を逃してしまったり、
思わぬ副作用が出たり、抗がん剤の効き目を阻害したりすることのほうが
危険です。そのことをよく考えてほしいと思います。

ただし、がんの予防になら、効果がある可能性のある食品はあります。
アメリカの公的機関の発表では、ニンニクとショウガはがんの
予防に効果があるとなっていました。これに加えて、自分は
緑茶も効果があるのではないかと思っています。では、今回はこのへんで。

 

アメリカの国立がん研究センター