今回はこういうお題でいきます。ご自分の場合でも、あるいは自分の
親の場合でも、人生の最後を施設で過ごすのか、それとも
あくまで在宅で過ごすのか? これについて考えてみたいと思います。

ただこれ、いろんなケースがあるんですよね。例えば施設の場合、
特別養護老人ホームもあれば、入居費が1億円以上もするような
私設のものもあります。とても単純比較できるようなことではない。

また、介護される本人が認知症なのか、歩くことができないのか、
今のところ自立して生活できているかでも大きく違います。
さらに、本人が一人暮らしなのか、それとも家族と同居しているか

どうかによっても違いが出てきます。

 



これらすべての場合について話をすることはできないので、いちおう
本人は自立して生活できている。施設は中程度の料金(本人の年金で

まかなえる程度)のもの、後期高齢者で一人暮らしをしている、

ということで話を進めます。

まず最初は、本人の思いですね。施設では普通一部屋しか使うことが
できないので、すべてのものを持っていくことはできません。
衣服、家具など、かなり徹底した断捨離をしないといけないんです。
これはかなりつらいことですよね。

それでも、自宅が残っていれば子どもさんなどに、必要なときに
持ってきてもらうことができますが、自宅は施設入居費用を出すために
売られてしまうこともあります。

 



そうなると慣れ親しんだ思い出の品、庭があればそこの木々など、
もう二度と見ることはできなくなります。これは思いの外つらいことです。
ですから、施設に入居した高齢者にはしばらく帰宅願望が
続く人が多いんです。また、「子どもに捨てられた」などと言う人もいます。
(実際に聞きました)

次に自由度のことを考えてみます。施設は不自由です。集団生活ですから、
起きる時間、寝る時間、食事の時間やお風呂の時間も決まっています。
また外出が制限される場合も多いです。ですから、「まるで刑務所に
入ったようだ」とうような感想が出ることもあります。

でも、どうしようもないんですね。もし利用者一人に介護士一人が
つくことができるような施設だったら、自由度は高くなるでしょうが、
そういう施設はものすごく高額です。

 



人間関係はどうでしょうか。在宅の場合は家族、訪問介護士との人間関係が
中心になるので、日々ふれあう人数は少ないです。ですが、それだけに
濃厚な関係になる場合が多いんです。

 

ケースによっては親子で憎み合うこともあります。施設の場合は

他の入居者や介護士との関係ということになりますが、人数が多いだけに、

中には相性がよくない人もいるだろうと思われます。

また、認知症になっている利用者も多く、なかなか話の合う人には
めぐまれませんし、利用者同士の派閥がある場合もあります。また、

利用者が大学教授などの知的な職業にあった場合、レベルの合う話し相手を
見つけるのは困難です。そういう人にはレクリエーションなども
幼稚に感じられることでしょう。

 



次に安全度、これは圧倒的に施設のほうが上です。基本的に段差はありませんし、
どこにでも手すりがついています。それだけではなく、コード類なども
引っかからないようにまとまられていますし、浴室もあらかじめ


温められているのでヒートショックもありません。絶対転倒しないとは
言い切れませんが、介護士がいつも注意して見てくれます。
看護師もいるので、ちょっとした体の不調も見逃されません。
定期的な医師の診察がある施設もあります。

食事も栄養士がバランスを考えて献立をつくり、減塩で提供されます。

最後は費用の面です。在宅の場合、すべてを家族がやるとなれば費用は
かかりませんが、現実的には不可能でしょう、訪問介護、訪問医療、
家政婦、デイサービスなど、利用すればするほど費用はかかります。
施設の場合も料金はピンからキリまであります、中には海辺の別荘地と
見まがうようなところもあります。

 



だいたいこんなところですね。自分が考える大きなポイントは認知症です。
これを発症していた場合、徘徊死や火事の危険があり、そうなると
隣近所にも迷惑がかかりますし、高額賠償の可能性すらあります。
ですから、自立不能の認知症の場合は施設一択だと思います。

そうでなければ、できるだけ自宅で生活するほうが幸福度は上だと思います。
自由は素晴らしいものですし、それを制限されるのはつらいです。
ただ、ここは家族のあり方も関係してくるんですよね。

 

 

施設に入れっぱなしで半年に1回程度しか面会に来ない。

入居者にしてみれば孫の成長も見たいでしょうし、近況も聞きたいでしょう。

愚痴や要望もあると思います。なによりも人生の張りが違ってきます。
ですから、なるべく頻回に面会に行ってあげることが大切だと思います。

中には連休、正月、お盆などには家族のところへ宿泊に行ける施設もあります。

昔は、親の面倒を家族が自宅で見るのが普通でしたが、今はそうもいきません。
それは核家族化もありますし、平均寿命が伸びたこともあります。
日本が貧しくなったせいもあるでしょう。ですから、本人の気持ちを
考えながら、よりベターな選択をしていく必要があるでしょう。
ベストというのはないのかもしれません。では、今回はこのへんで。