今回はこういうお題で行きますが、自分は医師ではないので
あくまでこういう悩みがあるだろうと推測するだけです。ですから
間違っているのかもしれません。そのことをまずおことわりしておきます。
さて、みなさんはがん治療において、なぜ、明確な根拠のない自由診療、
トンデモな民間療法が存在していると思われますでしょうか?
これ、いろいろな原因があると思いますが、
自分が考える最大の原因は「標準治療では治らないがんがあること」
なんじゃないかと思います。もしも標準治療ですべてのステージの
がんが治るのであれば、

インチキな自由診療、トンデモな民間療法はすべて、あっという間に
消え去ると思います。さて、ここで患者の側にも誤解があるんですよね。
標準治療の場合、もちろんすべてのケースにおいて
がんの完治が目標になっているわけではありません。このケースでは
完治を目標にするが、このケースではそれは無理だから
延命が目標、このケースでは痛みなどのさまざまながん症状の
除去が目標というように、目標が分かれます。
ここに一つ不幸のタネがあるんですね。患者はがんを完治したい、
また、医師の側でもがんを完治させたい。しかしそれはできない。
そこに大きなジレンマがあるんです。

youtubeに動画をあげられている押川勝太郎医師によれば、
標準治療が効果のある患者は全体の6割程度だということです。
この場合、効果があるというのは、がんが完治するということではなく、
縮小したり症状が緩和したり、腹水が消えたりするという意味です。
ですから、標準治療が効果のない患者が4割もいるわけです。さらに、
効果がないだけではなく、その治療、手術や抗がん剤によって
害だけを受ける患者も存在するということになります。
ただ、これは考えてみれば がんだけのことではないんですよね。
糖尿病などでも、人工透析になったり、足を切断しなければならない
患者は存在します。この場合も医師はなにも切りたくて
足を切っているわけではないんです。

つまり、医療にはその時点での限界が必ず存在するんです。ですが、
患者にしてみれば、どこかにこの病気を治せる治療法があるはずだと
思ってしまいます。そこへトンデモ医療の業者が「いっしょに
治しましょう」と甘い言葉で近づいてくる。
これはひっかかってしまうのも無理のないことなんですよね。
ですからトンデモ自由診療、トンデモ民間療法というのは、
現在のがん標準治療のすき間に存在しているとも言えるんです。
医師は、その患者のがんが治せないとわかったとき、完璧な
手術をしたのに転移が発見されたとき、抗がん剤治療の副作用で
その患者が亡くなってしまったとき、忸怩たる思いに
かられるだろうと思います。

でも、「この患者は運が悪かった」「この患者は治せる段階を過ぎていた」
と自分を納得させるしかありません。そしてこれが医療の現在の
限界点であると思うしかない。
・・・自分が何を言いたいかおわかりでしょうか。ともかくこれが
医療の現状での限界なんです。そして、その限界点をジリジリと進めて
伸ばしていくのが医療研究に課せられた使命でもあるわけです。
ここまで読まれてどう思われたでしょうか? がん治療にトンデモが
存在してなくならない理由、そして医師がそれについて歯がゆく感じている
思い、そううものを理解していただけましたでしょうか。

こういう現状にあっては、インチキ自由診療やトンデモ民間療法を
一掃するのはきわめて難しい。そういうものが存在していることが
一部患者の願いでもあるからです。もちろんそれらは、
つかの間の希望なんですけれども。
・・・なんだか身も蓋もない論旨になってしまいましたが、
上で書きましたように医療の研究は少しずつですが着実に進んでいます。
いつかは人類ががんを克服し、どんなステージのがんでも完治させられる
日がくることを心から願いたいと思います。では、このへんで。
