今回はこういうお題でいきます。これに似たような内容は以前も
書いていますが、今回あらためて取り上げてみました。
われわれ人間は直感的に物事を判断しやすいものです。
また、常識と言われるものに縛られがちです。
この直感や常識は、生まれつきということもあるかもしれませんが、
多くは日常生活を経験することで育っていくと思われます。
しかし、科学の最先端の成果を見ていくと、人間の直感と
ズレている場合が多々あります。
この手の話は昔からありますよね。例えば「地動説」。昔は天動説が
主流でした。地球は宇宙の中心にあって動かない特別な星である。
これがキリスト教的な宇宙観で、それに反する言論は弾圧されました。
書物は焚書され、主張する人間は異端審問にかけられました。
そのことはガリレオやジョルダーノの例で示されています。

ガリレオの名前が出ましたが、ピサの斜塔の話もそうですよね。
重いものと軽いものを同時に落とせば、重いものが先に落ちる・・・
今でこそわれわれは真実を知っていますよね。空気抵抗を考えなければ、
重いものも軽いものも同時に落ちる。
最近の例では、相対性理論がそうです。それまで、われわれは時間は
絶対的なもので、どこにいても、何をしていても同じように流れる・・・
と考えていました。ところが、そうではないんですね。
真に絶対的なのは光の速度で、これは宇宙のどこでも、運動をしていても、
していなくても変わりありませんが、時間のほうはその個体によって
伸びたり縮んだりする。これを固有時間と言ったりします。

ウラシマ効果のパラドックスがいい例です。ただ、現状では光の速度には
近づくことができないので、時間も無視してもかまわないような微細な
変化しか日常では経験できません。特に大きな影響はない。
ブラックホールもそうです。これは最初、相対性理論の宇宙法方程式から
でてきましたが、式の解としてはありえるものの、誰もそんな奇妙な
ものはないだろうと考えていました。
それが、さまざまな事実が積み重なって、実際にブラックホールはあるのでは、
と多くの科学者は考えるようになります。そして最近、ブラックホールシャドウが
撮影されて存在が証明され、ノーベル賞にまでつながりました。

量子力学もそうです。素粒子は粒であり、また波でもある。これも
2重スリット実験で確認されています。例えば電子は、存在確率の
雲のようにもわっと広がっている。ところがそれを観測した途端、一気に
キュッと縮まってその位置が明らかになる。これも直感に反していますね。
ここまでいろいろな例を上げましたが、他にもまだまだあります。
結局、いったん数式として出てきた場合、いかにその結果が奇妙に
見えても、事実は数式どおりになっている。そしてそのことをわれわれは
なかなか受け入れられません。
では、これはどうでしょう?「野菜および野菜ジュースは体にいい」
よく健康法やがんの民間治療などで聞く話ですよね。
まあ自分は、適量とっているのなら体にいいだろうと思います。
ビタミンやミネラル、植物繊維が含まれています。

しかし、「1日に1.5リットル以上飲む」となったらどうでしょうか?
多くの場合、同一成分の過剰摂取は細胞を傷つけることがあります。
では、「塩は体にいい」これはどうでしょう。
確かに人体にとって塩分は必須ですね。しかし過剰摂取すれば、高血圧に
なったり、心臓や腎臓に負担がかかったり、血管を痛めたりします。
ですから、多くの食品には塩分含有量が表示されているんです。
ですが、野菜ジュースについても、塩についても、健康に対する影響に
ついての厳密な臨床試験は行われていないんです。ですから、
公平な結論としては「わからない」になるはずです。

われわれは子どもの頃から「野菜不足ですよ」 「野菜をとらないといけません」
そう言われて育ってきました。ですから、「野菜は体にいい」というのが
頭の中に染みついてしまっているんです。しかし実際はそれは検証されて
いないので本当のところはわからないんです。どの野菜をどのくらい
摂取すれば、どう体にいいのか?
このあたり、怪しい業者がつけ込みやすいんですね。さらに、
このことにミラクル・エンザイムとか、4毒とか、科学的に思えるような
もっともらしい用語を加えて見せてくる。すると科学的なリテラシーの
ない人はコロッとひっかかってしまうんです。・・・長くなってきたので、
今回はこのあたりで終わりにしますね。では、このへんで。
