今回はこういうお題でいきます。都市伝説のお話です。ただ、この話、
いろんなバリエーションがあって、どれが最も古い形なのか、
いまいち調べてもわからないんですよね。
地域ごとに違う話になっています。代表的なものはこんな形です。
「夕方の学校で、少年がトイレで用を済ませ、拭こうとすると紙が
無かった。するとどこからともなくこんな声が聞こえてきた。
「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」少年は「赤い紙」と答えた。
その瞬間、身体中から血が噴き出し、少年は死んでしまった。
この話を聞いた別の生徒は、怖がりながらも我慢できずに
トイレに行った。するとやはり、
「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」という声が聞こえてきた。
少年は血が噴き出した話を思い出し、「青い紙」と答えた。その瞬間、
少年は身体中の血液を全て抜き取られ、真っ青になって死んでしまった」

いわゆる学校にまつわる怪談ですが、この話、意外に古く、戦前には
すでに存在したと考えられています。1930年くらいまでは
ルーツがたどれるようです。関西の小学校を中心に流行しました。
当時はインターネットはもちろん、テレビもまだなく、口コミで
広まっていったと考えられます。ただ、そのときの形は、
現在のものとは違い「赤い紙と白い紙」になっていました
どうしてこの話ができたのかはよくわからないんですが、
「回答次第で恐ろしい結末を生む」、「正しく答えないと悲劇を呼ぶ」
というところから、学校でテストに答えられないことへの恐怖心から
生まれたという説があります。

また、京都では、節分の夜に便所に入るとカイナデ(カイナゼ)という
尻を撫でる妖怪が出るとされ、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」
と唱えるとこの怪異を避けられるという伝承があり、
これがこの怪談へ変化したとの説もあります。
また、かなり古い時代(大正時代?)から、夕暮れに子どもをマントの
中に入れてさらうという「赤マント」という怪人の噂が流れており、
それが元になったという説もあります。
この話が広まった時代は、まだトイレットペーパーはなく、
ゴワゴワした再生紙であり、トイレも和式の、いわゆるぼっとん便所で、
そのこととも何か関係があるのかもしれません。

小学校時代は、特に男子では学校で大のほうのトイレに入るのは恥ずかしい
ことであり、目撃されるとしばらくからかわれたもので、そのときの
(いわれのない)罪悪感がこの話を生んだという説もあるんです。
また、校内でいじめが行われる場合、トイレがその舞台になることも
多かったんですね。こういった様々な要素が伝説の成立にかかわっていて、
どれが原因とは一口では言えない気がしますね。
この話がもとになって、「トイレの花子さん」などの学校の怪談系の
都市伝説ができていったと考えられます。話としては小学校でできたもの
らしく単純なんですが、これが解答系の都市伝説のルーツなんでしょう。

解答系というのは、ある怪異に襲われたとき、正しい答えをすると
難を逃れられるという系統の話で、例えば「口裂け女」で「ポマード」
と言ったり、「ベッコウ飴」を投げると助かるというのもそうです。
「カシマさん」なども同じで、いかにも子どもの間で流行りそうな形です。
やはり助かるための手段がなくてはならない。
さてさて、ということで「赤い紙と青い紙」の話をみてきましたが、
それにしても都市伝説の力ってすごいんですよね。
口コミだけで、じわじわとかなり広い範囲の地域に広まり、
そこの小学生はみんなその話を知ってるということが多いんです。
この手の都市伝説も調べてみると面白いんですが、なかなか正解には
たどりつけません。では、今回はこのへんで。
