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昨今、環境保護のため家畜飼育を行わないことが望ましいと
伝えられていることもあり、欧米ではますますヴィーガニズム
(完全菜食主義)やべジタリアニズム(菜食主義)
に移行する人が増える傾向にある。

アメリカに拠点を置くグローバルコンサルタント会社「AT Kearney」は、
今回ある報告書を公表した。それによると、2040年には、
世界の肉の60%が、動物本来の肉ではなく、培養肉や植物から作られた
ベジミートなどの人工肉に代替えされるというのだ。(カラパイア)


科学ニュースから、今回はこういうお題でいきます。最近、
「ミートテック」という言葉を耳にするようになってきました。
「meat tech」つまり、ミートテクノロジーの略で、主に
科学的に人工肉を製造する技術について言われているようです。

さて、人工肉が求められる要因としては、まず一つには、
世界的な人口増加があげられます。2017年に国連が発表した試算に
よれば、世界の人口は2030年までに86億人、2050年に98億人、
そして2100年には112億人に達するとみこまれ、
これにより食糧不足、その他の問題が起きてくると予測されます。

世界人口の推移(予測) クリックで拡大できます
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ただ、人口問題って日本にいるとぴんとこないんですよね。
ご存知のように、日本は少子高齢化、人口減少社会に突入していますし、
世界の先進国も多かれ少なかれ似たような状況です。
つまり、人口が増えるのは主に途上国においてであり、
そこに問題の深刻さがあるわけですね。

人工肉が求められる2つ目の要因は、畜産業が環境を汚染するということです。
世界に排出されるアンモニアの7割程度が家畜に由来するほか、
人間活動による温室効果ガス排出量の14%以上が、
家畜の排泄物や腸内発酵による、という試算があるんです。

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みなさんが北海道を旅行すれば、広大な牧草地で牛が草をはんでたりして、
畜産業が自然環境に悪影響を与えるなんて想像できないんじゃないかと
思いますが、家畜の病気を抑えるために投与される抗生物質の
問題もありますし、厳しい法律とハイテクで環境汚染物質を減らしている
製造工業よりも、将来的には懸念されている面があるんです。

で、この2つのことはそれぞれ関連しています。人間は基本的に、
穀物から炭水化物、肉類からタンパク質を摂取していますが、
畜産には広大な牧草地が必要で、その分だけ、穀物を栽培する耕地の
面積がせばめられることになります。

また、大量の食糧が人ではなく、家畜のエサとして消費されている
問題もあります。これ、知らない人が多いと思いますが、
世界の全耕地の約80%が、家畜に与える食糧を生み出すために
使われているという試算があるんです。さらに、バイオエタノール
生産によって、人間の口に入る食物の耕地がどんどんせばめられている。

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そこで、その解決のために考えられているのが「昆虫食」と「人工肉」です。
昆虫食については前に取り上げましたので、今回は人工肉について書きますが、
ひとくちに人工肉と言っても、現状では3種類があります。
まず一つ目は、牛などの幹細胞を人工的に培養したもの。

これは試験管の中でつくられたといっても、肉であることは変わりません。
2つ目が、小麦、大豆、ナッツ類などから取り出したタンパク質をもとに
人工肉を合成するものです。肉は言葉だけで、完全な植物食になります。
3つ目は、前の2つの折衷というか、植物由来のタンパク質に家畜の
肉エキスや脂肪を加えて味を整えたもの。

「ヴィーガニズム」という言葉がありますよね。ヨーロッパを中心に
増えている、動物製品の使用を行わない生活様式で、絶対菜食主義という
訳語がついています。上記した3つのタイプの人工肉で、
ヴィーガンの人が食べることができるのは、2つ目のものになります。

昆虫食
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さて、人工肉の普及にあたっては、いくつかの問題があります。
まずその最大のものはコストです。現状では、人工肉は通常の畜産製品より、
はるかに高コストなんですね。それから食味の問題。食感などをふくめて、
なかなか本物の肉に近づけるのが難しい。わざわざ高いお金を払って、
不味いものを食べるという人は少ないでしょう。

それから、もし人工肉が普及した場合、従来の畜産業から大量の失業者が
出るということです。世界には、ニュージーランドやオーストラリア、
アメリカなど、大規模な畜産を行っている国があり、畜産業者は
一種の圧力団体になっています。みなさんは、以前に日本がアメリカから
米国産牛肉を買えとゴリ押しされたのを覚えておられるでしょう。

アメリカの巨大な牛牧場 見渡すかぎり地平線まで牛


こういった問題が、今後も人工肉の普及を妨げていくと思われます。
さて、話題をオカルト方面に振って、昔、『ソイレント・グリーン』という
映画が評判になりました。1973年のアメリカ映画ですから、
自分は映画館では見ておらず、ビデオ鑑賞でした。

作品の舞台は2022年なので、あと3年後です。人口爆発により、
世界は極端な格差社会となります。本物の野菜や肉は宝石以上の価値がある
貴重品で、大金持ちしか手に入れることができない。一般人は、
ソイレント社が海のプランクトンから作る合成食品「グリーン」の
配給を受けてなんとか生きているという状況です。

『ソイレント・グリーン』
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ソイレント(Soylent)は、大豆(soybean)とレンズ豆(lentil)からの
造語のようです。その未来社会では安楽死が奨励されていて、
公共の安楽死センターがあります。ネタバレになりますが、
じつはソイレント・グリーンは、安楽死した人間の体を原料にして
つくられたものだったんですね。

さてさて、現在、漁業はまだ見逃されているというか、魚の人工肉という
話は出ていませんが、将来的には、世界でマグロやカツオなどの漁獲が、
捕鯨みたいに制限・禁止される流れになってくるだろうと
自分は予測しています。そうなった場合、みなさんは人工刺身を食べる
ことになるかもしれませんよ。では、今回はこのへんで。

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